16日の夕方、私は約半年ぶりに日本の土を踏んだ。
いや〜チリからここまで、長かった!なんせ、サンチャゴ→パナマシティ経由→メキシコシティ→グアテマラシティ、サンサルバドル経由→ロサンジェルス→東京だもんね。これほど乗り継いでロストバゲージが無いのが奇跡のよう。
久しぶりの日本は、思ったより寒くなかった。ちょっと前まで雪が降っていたと聞いていたが、ここ数日でいきなり温かくなったようだ。
さて、いきなりの帰国と2週間もHPを沈黙したわけ!それは、サラリーマン時代の大事な後輩が結婚するので、その2次会に乱入しようと思ったのだ。しかも、その後輩と面識のある久美子も一緒に!なんて楽しくって、縁起が悪いんでしょう!
ま、その他にも理由はあるんだけど、どうせ夏にはカルネの再申請とかで帰ろうと思っていたから、それをちょっと早めたというか・・・。
その後輩の名前は仲川崇。奥さんは祐子さん。式は24日(土)で、本来なら披露宴から出たいところだが、やっぱ驚かせた方が面白いと思って。そして乱入するなら、さすがに披露宴はマズいだろうと思い、2次会にしたのだ。いや、ご祝儀をケチッているわけではございません。決して。
彼らは私の帰国をまったく知らない。それどころか式で流すから、ビデオメッセージを送ってくれとメールをよこしてきたのだ。私は「飛んで火に入る夏の虫♪」とほくそえみ、デジカメで「地球の裏側からおめでとう」というメッセージを収録し、CD-Rに焼きつけて彼らに送ったのだ。
そして当日。乱入企画を知っているのは幹事など、会社関係でもほんの一部。それまでHPも更新せず、メールがあっても海外にいるフリをして潜伏していたのだ。
2次会が始まって約30分後。会場近くのファミレスで待機していた私と久美子のもとに、幹事から「そろそろ・・・」という携帯コールが入る。久美子の用意したプロレスマスクを被り、会場へ。入口付近でビデオメッセージの上映が終わるのを待つ間、怪訝そうにこちらを見る知人らと目が合ったが、さすがにマスクを被っているから正体はバレない。
そして1分ほどの短いメッセージが終ると、司会の合図とともに、いるはずのない二人が登場!しかも、久美子が私にヘッドロックをしながら!
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いや〜、マスクを取ったときの仲川の顔が忘れられん。ホント、目が点になっていた!まさか、俺が日本にいるとは思わなかっただろう。
驚きの登場の後は、一生懸命考えた祝辞を披露。2次会のノリがあまりにも若く、それに比べればちょっとジジくさい挨拶になってしまったが、まあ、よしとしましょう。
(仲川崇と祐子さんへの祝辞)
仲川、そして祐子さん、結婚おめでとう。
仲川、少年のような眼差しをしていたお前が朝日新聞社に入社してきたのが、ついこのあいだのように思える。 いつまでも少年、少年と思っていたが、お前も結婚するまで成長したか。
先輩として嬉しいと同時に、自分もヤバイ年齢になってしまったとあせっている。
お前はこだわりを持って、楽しみながら仕事をできる人間だ。 これからも俺の分まで、朝日新聞社と日本経済に貢献し、そして幸せな家庭を築いてもらいたい。
仲川、お前との思い出もたくさんある朝日新聞だが、 知ってのとおり、俺は嫌で辞めた訳じゃない。 俺には日本人初のオートバイ二人乗りによる世界一周という目標があったんだ。
出発前、俺は色んなことを心配した。 オートバイは壊れないだろうか。危険な目には会わないだろうか。金は足りるだろうか。 俺は数年かけて色々と調査し、準備万端で日本を出たつもりだった。
しかし、俺はとんでもない忘れ物をしていたんだ。 それは仲川、今、お前の胸にあるだろう、心のときめきだ。
俺は一番身近に、一番壊れやすいものがあることに気付かなかった。 そして出発してからわずか七ヵ月、俺の目標も、結婚も、すべて白紙に戻ってしまった。お前のお母さんに作ってもらった結婚指輪、無駄になってしまった。申し訳ない。
でも、俺は久美子と結婚したことは、これっぽっちも後悔していない。 なぜなら4年前、お前もあの場にいたろう、俺と久美子が式を挙げたときに感じた心のときめきは、本物だったと言えるからだ。
しかし仲川、お前はそのときめきを、絶対に忘れてはならない。それは、お前の人生の宝だ。そのときめきの、ほんのかけらでいい、それをタイムカプセルに入れて心の隅にしまっておけ。
よく結婚はゴールインと言われるが、お前と祐子さんは今日、旅に出るんだ。夫婦の旅路は素晴らしい旅路だが、世界一周よりも長くて険しい、困難な道のりでもある。
時には投げ出したくなることもあるだろう。 そんなとき、そのタイムカプセルをそっと開けて、今のときめきを取り戻せ。俺らが祐子さんに会うのは今日が初めてだが、仲川、お前は頑固者で、妥協というものを知らない男だ。そんなお前が選んだのだから、きっと本当の相手だろう。お前と祐子さんなら、その旅路をきっと乗り越えられると思う。
お前も旅行が好きだから、俺の旅をうらやむかもしれない。 だけど世界中を旅し、色んなものを見て、聞いて、味わい、嗅ぎ、感じ取るのと同じぐらい素敵な旅を、お前は祐子さんと一緒に日本ですることができる。体が旅をしていても、心が旅をしなければ何にもならないと、俺は久美子に教えてもらった。最近、ようやくそれに気付いたところだ。
仲川、お互い心の旅をしよう。今日がその出発だ。 ときめきを胸に秘めて、良い旅を。そして祐子さん、仲川のことをよろしくお願いします。(終り)
・・・とまあ、こんな挨拶なのでした。
というわけで、私は日本に帰ってきました。次は4月の中旬にバイクを置いてきた南米に戻ります。それまで、HPも小休止します。
久々に久美子と再会し、「久美子に言わせて!」の号外をもらいました。久美子ファン、必見です。↓
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