午前10時半、香苗さんや店のスタッフの方たちに見送られて「ポコ・ア・ポコ」を出発する。みなさま、今回も本当にお世話になりました。今後ともご商売の繁盛を祈っております・・・。
さて、今日の目的地は地上絵で有名なナスカ。前回、牛次郎で来た時には何も見ず、朝食だけ食べて立ち去った場所である。今回はちゃんと地上絵を見なければ。実は以前から「ナスカの地上絵」にはかなり興味があって、そのデフォルメされた絵柄に私の美意識は大きく反応しているのである。前にも書いたが、現在の私のパソコンのデスクトップは自製のナスカ模様になっている。
ナスカはリマからパンアメリカン・ハイウェイを約450キロ下ったところにある。ちょっと渋滞にはまったもののリマを順調に抜けられ、よく整備されたハイウェイを一路南へ。
香苗さんちでたっぷり朝食を食べたのであまり腹が減らず、結局小休憩を2回挟んだだけでナスカまで走ってしまった。
リマ方面から来るとナスカ市街の手前に地上絵のあるエリアがあり、 そこには道沿いに展望用のやぐらがある。ちょうど夕暮れ時で地上絵も夕陽に映えているはずだから、寄って登ってみることにする。
鉄製のやぐらは一度に10人しか登れないので、下では順番待ちの人たちがいた。ひまそうにしていたおじさんが「どこから来たのか、あのバイクは何ccだ」と聞いて来たので、「カナダからだ、800ccだ」と答えたら、目を丸くして驚いた。そしてまわりにいた友達たちに説明し、さらに友達たちも驚いた。
やがてやぐらの上にいた団体が降りてきて、「何の騒ぎだ」と下にいた人に聞き、説明を受けた彼らも驚いた。そして大変な騒ぎになった。
まずは何人かいた少女たちに、一緒に写真に写ってくれと頼まれた。バイクにまたがらせてくれとか、ヘルメットを被らせてくれとか、肩に手を回してくれとか注文が多いが、代わる代わる数人の女の子とツーショットで写真を撮られるのはとても気分がよろしい。
そして彼女らのお母さん、おばあさんらも黙っていなかった。少女たちが終わると「今度はあたしたちね」と言い寄られ、撮影大会は続いた。俺は地上絵よりも珍しいのか?
最後は私がみんなとバイクを撮った。写真の真ん中あたりに赤いDRが埋もれているのが分かるだろうか?彼らは同じバスに乗って来た人たちだそうで、みんなペルー人だそうだ。みんなとても良い人たちで、日本人だと言ってもフジモリ云々とか言わず、「ようこそペルーへ」と温かい声をかけてくれた。これだけいて、年頃の女性がいないというのが残念だったが。
みんながバスで去るのを見送ってから、やぐらに登ってみる。高さは20メートルほどで、15キロ四方に及ぶという地上絵のエリア全体を見渡すには低すぎるが、近くにある「手」と「木」の地上絵ははっきりと見る事ができた。明日、飛行機から見る予定だから、その時にもっと良く見えるだろう。
さて、ナスカの町につくと、ホテルや地上絵を見る遊覧飛行の客引きがワンサカ寄って来た。落ち着いてホテルを選ぶ事もできず、どこかで名前を聞いた「ホテル・ナスカ」があったのでそのままチェックインする。後で調べたらこのホテルはライダーが良く利用するところで、選択は間違っていなかったことが分かった。
そして、近くのツアー会社で明日の朝一番の遊覧飛行を申し込む。地上絵を見るには空から見るのが一番だが、太陽が斜めから差して地上絵がクッキリ見える朝か夕方でなければ意味がないという。午後は真上から太陽が差し、しかも強風が砂を巻き上げて地上絵を覆い隠してしまうのだ。
ツアー料金は55ドルを45ドルにまけさせたが、後で「地球の歩き方」を見たら、このシーズンの相場は35ドル前後だという。しまった・・・。ちゃんと下調べをしていないとダメね。
明日は遊覧飛行を終えたら、もうナスカを後にしてクスコに向かうつもり。なんでそんなに急ぐかというと、天気予報によればクスコ地方は明日、明後日あたりまで天気が良いというからなのだ。ナスカ〜クスコ間の700キロの道のりは険しく、5ヵ月前に通ったゴリラのマサの情報のままだと、うち150キロは未舗装だ。雨季まっただなかに走った人は川渡りも経験したと言うし、実際、クスコでは最近雨季に入り、雨が多いという。これは天気の良いうちに行かなければ・・・。というわけで、私は急ぐのであります。
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