旅の日記

カナダ・ロッキー編(1999年9月11日〜16日)

1999年9月11日(土) いよいよ走り出す(Start Riding)

 朝、必要のなくなった物をまとめて日本へ船便で送り、いよいよ走り出す。スタンレーパークから見たライオンズゲートブリッジを渡り、99号線を一路北へ。
 カナダの道は標識が簡潔で分かりやすい、と思ったら、いきなり料金所が見えてきた。あれ?カナダのハイウェーって有料なの?まさか、と思ったらナナイモ行きのフェリー乗り場だった。いきなりのミステイク、200メートルほど逆走するハメに。
 99号線に戻るも、ウイスラーまでは渋滞がひどい。土曜日のため、キャンピングカーや自転車、ボートを載せた車が目立つ。
 景色はわざとらしいほどキレイだ。針葉樹の緑はまぶしく、ときおり見える湾や湖は絵の具を混ぜたように鮮やかなブルーやグリーンで、遠い峰々には雪が。いつハイジとペーターが出てきてもおかしくない状況だ。
 ウイスラーに到着、こじゃれたペンションやホテルが軒を連ねる。あまりの場違いさに居場所を見つけられず、トイレを拝借するのみで早々に立ち去る。
 夕方、Lillooetという町に着く。一泊75ドルという高級モーテルにチェックイン。初日で疲れたから、今日はここでゆっくり寝ます。

本日の走行距離  287.8キロ(計321.7キロ)

出費          30.25$ 郵便小包代
             10.88$ 昼食(サンドイッチ)
             75.90$ モーテル(カード)
              8.56$ 夕食(スーパーでカップ麺など)
計          125.59$

宿泊      Mile-O-Motel 



1999年9月12日(日) 一路ジャスパーを目指す(Heading Jasper)

 朝一番でガソリンを入れる。燃費はリッター19キロ。荷物満載の二人乗り、しかも山道でこの燃費なら文句無し。前タイヤの空気が抜け気味だったので入れておく。
 昨日はどうも荷物の積み方が悪かった。今日はリヤのザックを縦に積んでみる。するとどうだろう、二人の乗るスペースに10センチほどの余裕が生まれ、別世界の快適さ。よし、今日は走るゾー。時速110キロの巡航速度で一路ジャスパーへ。
 午前中に220キロを走り、Kamloopsの町でマクドナルドの昼食。満腹になって熟睡している久美子の重みに耐えながらその後も北上を続け、ジャスパーまで230キロほど残したBluewaterという町で泊まることにする。今日も贅沢ながらモーテルにチェックイン。もうすこし温かければキャンプするのに(軟弱な私たち)。夜、モーテルの電話から音響カプラーを使いオペレーター経由でネット接続を試みるが、接続する瞬間のタイミングが問題なのか、何度やってもだめだった。

本日の走行距離  484.4キロ(計806.1キロ)

出費           9.85$ ガソリン(カード)
              8.31$ 昼食(マクドナルド)
             10.58$ ガソリン(カード)
                69$ モーテル(カード)
              5.77$ 夕食(スーパーでまたもカップ麺など)
計          103.51$

宿泊        Venture Lodge




1999年9月13日(月) ジャスパー到着!(Jasper!)

 朝起きてまずしなければならないことは、モーテルのオフィスへ行って昨日ネットにアクセスしようとした電話代を払うことだった。すると、22.5ドルとのこと。とほほ、何も出来てないのに。
ネット接続はカルガリーまであきらめよう。
 午前中に230キロを一気に走り、昼過ぎにジャスパーに到着。空は雲ひとつ無い青空。パーキングのトイレで一緒になったおじさんによると今年の夏は雨が多く、今日が今夏最高の陽気だそうだ。天気予報によると西カナダ一帯が強い高気圧に覆われているためとのことだが、妻によると彼女の普段の善行のためだそうだ。だけど、寒い。フリースをインナーに着ても鼻水が止まらない。
 ジャスパーの宿探しは熾烈とのことなので、まずインフォメーションセンターへ安宿の情報を求めに行く。すると掲示板に本日空きがある宿のリストが貼ってあり、前には自由に使える電話が置いてある。適当な場所を選んで電話すると、そこには6〜8人用の部屋しかなく、知り合いのリンダという人の宿を紹介してくれた。リンダの宿は半地下、暖房無し、トイレ、シャワー共同だが、ダブルで一泊50ドルという安さ。2晩泊まることにする。
 部屋に荷物を入れ、近くのウィスラー山へケーブルカーで登りに行く。バカは高いところが好きですから。途中、道の路肩に黒い熊が現れる。熊ですよ、クマ、モノホンの。ちょっと小ぶりでしたが、感動の雄叫びをあげてしまいました。バイクの音にビビって森へ帰っていきましたが。
 ウイスラー山へ登るケーブルカーは一人16ドル。少々高いが、我慢して登ることにする。すると、どうでしょう。展望台からの景色は遮る雲も無く、360度の大パノラマ。ロッキーの峰々やジャスパーの町が手に取るように見渡せます。遠くは90キロ離れたカナディアンロッキー最高峰のロブソン山の山頂までくっきり。ケーブルカーの乗務員によると、ロブソン山が見えるのはソートー珍しいことらしい。展望台からさらに40分ほど徒歩で登り、山頂へ。帰りはリスが寄って来たりして、まさに大自然に抱かれた私たち。

 日本人の観光といえば、高いところの次は温泉と相場が決まっています。というわけで、町から60キロほど離れた温泉へ行くことに。途中、今度はビッグホーンという羊の群れが路肩に登場。垂直に近いがけを登る姿に惚れ惚れ。
 ハイウェーを外れ、クネクネ道を登ること30分、目的のミエテ温泉へ到着。水着着用で、湯温は40度。まあ、温水プールのノリですな。深いところで1.5メートルもあるし、中国人のオヤジはメガネをかけたまま平泳ぎしているし。でも露天なので、夕陽に染まる山々を見ながらとても気持ち良くお風呂をいただきました。
 温まった分、帰りの寒さといったらこれまた格別。完全に湯冷めしてしまいますがな。震えながらジャスパーへ戻り、温かいものでも、と思ってメインストリートをさまようと、日本食屋を発見。ビールとカレーライスでもあき足らず、熱燗までオーダーしてしまった。BGMは谷村新司の「昴」だし、どこだここは。新橋か。

本日の走行距離  346.8キロ(計1152.9キロ)

出費          14.84$ 朝食(卵とトースト、カード)
             22.50$ 電話代(カード)
                30$ 国立公園入場料(三日分、カード)
                 3$ TC現金化手数料
               100$ リンダの宿二泊分
                 8$ 昼食(サブウェイ)
                32$ ケーブルカー代
                 2$ ジュース代
             11.97$ ガソリン
                 9$ ミエテ温泉入場料
                30$ 夕食(カレー、ビール、熱燗)
計          263.31$

宿泊     リンダの宿(正式名称不明)




1999年9月14日(火) マリーン湖でボートに乗る(ただし体育会系)(Marine Lake)

 朝はゆっくりめに起き、コインランドリーでお洗濯。午後からロッキー最大の氷河湖、マリーン湖へ。周遊の観光船の料金は一人32ドル、とてもではないが払えないので、手漕ぎボートに乗る。これが日本のボートの1.5倍ほどの幅があるので、一人だと漕ぎにくい。二人で漕ぐと仲の悪さを露呈するかのように蛇行しまくる。それでもお互いに負けないように力の限り漕いでいるので、異常な速さで進む。静寂の中カナダ人たちがカヤックなんぞを漕いでいる、優雅な雰囲気をブチ壊す日本人であった。
 昼食はボートの上でパン。絵葉書そのものの景色をボートから眺めながらの贅沢な食事となった。
 夕方宿に戻ってからはホームページの更新などをし、夕食はコンビニのハンバーガーとサンドイッチで済ませた。最近贅沢が続いていましたから。でも、ビールは欠かせません。カナダ産のビールはすっきりしていて大変うまい。水が良いからだろうか。それにしても酒屋でパスポートの提示を求められなかったのは、ちょっと大人になった気分。

本日の走行距離  98.5キロ(計1251.4キロ)

出費             14$ 朝食(卵とトースト)
               2.5$ コインランドリー代
              2.89$ 絵葉書9枚
                 8$ 昼食(パンと水)
                22$ 手漕ぎボートレンタル(2時間)
                 8$ 昼食(サブウェイ)
              7.11$ 翌朝のパン、ジュース、ブル-ベリー
              5.56$ 夕食(コンビニ)
               4.2$ ビール2本
              1.59$ アメリカンドッグ(久美子買い食い) 
計           75.85$

宿泊     リンダの宿(正式名称不明)




1999年9月15日(水) アサバスカ氷河に立つ(Athabasca Glacier)

 二日間お世話になったリンダの宿とジャスパーを後にし、アイスフィールズパークウェイを南へ。本日のメインイベントは、コロンビア大氷原とアサバスカ氷河でございます。ジャスパーから100キロほど下ると、ロッキーのなかでもひときわ雪(氷)の多い山々が見えて参ります。気温も一層下がり、氷河に近づいたことがほとばしる鼻水とともに身にしみます。
 着いたところがアサバスカ氷河へのバスツアーの発着所。バスといっても、トラクター用のタイヤが六つついた、六輪駆動の「スノーコーチ」という特殊なバスで、氷河の表面をぐいぐい登って行きます。二人で49.90ドルは痛いけど、カナディアンロッキーのハイライトと言っても過言ではないメインイベンターなので、即参加決定。
 ツアーは正味70分ほど。ハイウェイから普通のバスに乗って10分ほど登り、そこでスノーコーチに乗り換えます。さらに15分ほどアサバスカ氷河の表面を登ると、氷河の一番厚い地点に到着します。そこで20分ほど外に出て自由行動。ガイドが危険だから整地(氷)されたエリアから出るな、っていってのに、某アジアの国の観光客(日本じゃないよ)は傍若無人に氷河の上をのしのし歩き回り写真を撮っていました。私たちの降り立った一番厚いところで、300メートルの氷の厚さがあるらしい。このアサバスカ氷河は、さらに上のコロンビア大氷原から流れてきたものなんですけど、残念ながらそこまでは行けません。この氷河も温暖化の影響などで、年々短くなっているとのこと。
 氷河ツアーに満足した私たちは、一路バンフの町へ。予約はしてなかったが、ユースホステルへ行くと、夕方6時にキャンセル分のベッドを開放するらしい。着いたのが5時半だったので、30分ほど待って無事二人分のベッドを確保。今までにドミトリー方式の宿は泊まったことがあったのだが、ちゃんとしたユースはこれが初めて。バンフのユースは町から遠いけど、施設があたらしく、ログハウスみたいなノリで結構キレイ。楽しいひとときを過ごしました。

本日の走行距離  301.3キロ(計1552.7キロ)

出費            6.2$ ガス(カード)
             16.57$ 写真現像代(カード)
             49.90$ 氷河ツアー(カード)
                40$ ユース
             15.90$ 夕食(ユースのカフェでグラタン)
               5.5$ ビール
              1.25$ ジュース
計          135.32$

宿泊       Banff International Hostel



1999年9月16 日(木) カルガリー着、しかしネット接続できず(Calgary)

 朝目覚めると、久美子が日本の夢をみたという。ホームシックか?と思いきや、濡れ煎餅と「フーちゃん」なる、ふ菓子をたらふく食べる夢だそうだ。心配して損した。
 ユースを後にし、バンフの町の温泉へ。ここも水着着用のプール方式です。ジャスパーのミエテ温泉よりも景色が良かったです。
 温まったあとはロッキーに別れを告げ、カルガリーの町へ。契約しているIBMネットのアクセスポイントがカルガリーにあるので、大枚はたいて電話完備のモーテルへ。まずは第一回目のオイル交換。そして、いよいよネットへアクセス。すると、接続はするものの、認証確認で失敗する。アメリカにあるヘルプデスクへ電話すると、接続に何回か失敗したため、パスワードが無効になっていたそうな。そこでリセットしてもらったのだが、それでも接続できない。いつになったらホームページのアップとメール送受信ができるのか。

本日の走行距離  164.2キロ(計1716.9キロ、オイル交換一回目)

出費             15$ 温泉入場料(カード)
              5.95$ ガス(カード)
             67.15$ モーテル(久美子カード)
              9.72$ 昼食(ケンタッキー、カード)
              1.23$ ゴミ袋
             11.84$ オイル3リットル
              5.61$ ビール
              4.41$ ジュースなど
計          120.91$

宿泊        Traveller's Inn


「久美子の言わせて!」 
はじめました

やっと体力も回復し元気になりました。相変わらずどこでも寝る私は
バイクの後ろでもぐぅぐぅです。今まで一度も落ちたこと無いから
これからも大丈夫でしょう、きっと。今日はカルガリーに宿泊。ステーキ屋を
捜し求めたがみつからずお腹がすいてそこらのバーガー屋へ。さみしー。
明日は絶対ステーキ食うぞー。くみ