旅の日記

カナダ〜アメリカ・グレーシャー編(1999年9月17日〜20日)

1999年9月17日(金) 待望のネット接続!そしてステーキ!(Eating steak)

 朝起きて、ダメもとでネット接続してみる。すると、つながるでないの。おいおい、チェックアウトまであと一時間しかない。ワープロ検定のような速さでメールを打ち、ホームページを更新。バンクーバーでもそうだったが、どうも北米のアクセスポイントは夜弱いらしい。
 チェックアウトの11時すぎまでモーテルにいたので、昼飯はカルガリー市内で待望のステーキを食べることに。地球の歩き方に乗っていた郊外のステーキ屋へ迷いながら到着。窓が一切無い、荒くれ者があつまる西部のバーのような様相を呈しており、カズヒロ少し緊張。しかし、中の客はいたって普通の人たちだった。早速名物のアルバータ牛ステーキをオーダー。歯ごたえがある肉だが、肉汁たっぷりのジューシーな食感。うーん、うまい。付け合せの人参とじゃがいもの山盛りも、野菜が不足がちな私たちには嬉しいかぎり。
 はらを膨らませたあとは、次のアクセスポイントがあるLethbridgeの町へ。カルガリーの南へ少し、と思っていたら270キロもあるでないの。しかも、今までの山あり谷ありの変化に富んだ風景とうってかわり、見渡す限りの平野。右を見ても左を見ても、農場ばっかりの景色に早くもうんざり。しかも風が吹きさらしなので、風圧がすごい。270キロ走るだけで結構疲れてしまった。
 午後6時過ぎにLethbridgeに到着。アメリカが近づいたせいか、ダウンタウンがアメリカっぽくて、すこしガラが悪い。若者が奇声をあげながら車を運転している姿を何回か見た。街外れにモーテルが集中しており、何軒か見て回るうちに一泊54ドルで朝食付の物件を発見。チェックインしてネットアクセスしてみると、非常に不安定ながら何とか接続できた。宿泊費も安いし居心地も良いので、休憩も兼ねてこのモーテルにもう一泊することに決定。

本日の走行距離  286.9キロ(計2003.8キロ)

出費           5.86$ ガス
              5.78$ ガス
              9.42$ 絵葉書、写真郵送代(久美子)
             34.59$ 昼食(ステーキ、カード)
              3.87$ ジュース、お菓子
              6.21$ 夕食(サンドイッチ)
              5.10$ ビール(久美子)
計           70.83$

宿泊        Econolodge




1999年9月18日(土) 巨大スーパーで買い物、謎の日本料理屋に潜入(Lethbridge)

 今日は一日Lethbridgeの町でホームページ更新と休憩の日と決め込む。朝食を食べたあと久美子が二度寝をはじめたので、午前中にネット接続してホームページの更新を行う。久美子が午後2時ごろようやく起きたので、近くの巨大なスーパーへ買い物へ。服から家電からカー用品までそろっており、ブラブラと見ているだけで楽しい。
 いったんモーテルへ戻ると、また久美子が寝だした。仕方ないのでまたネット接続を試みるが、久美子の書いた二通のメールを送信できたのみで、私あてに来たメールは何度やっても受信できなかった。
 夜8時過ぎに久美子が目を覚まし、スーパーの近くで発見した日本料理屋へ。表からは内部の様子が見えず、メニューも貼っていないので少々ドキドキしたが、メインの寿司の他にも丼ものや麺類があった。カナダに来て3年目というご主人と、妙に日本語の上手なベンという白人青年の二人でやっており、客は私たち以外にいなかったが、久美子の注文した鉄火丼と私のカツ丼は安くてうまかった。久美子にごちそうになる。Lethbridgeに立ち寄る旅人はこの料理屋に立ち寄るべし。

「ふる里」 1346 Mayor Magrath Drive South, Lethbridge AB  TEL(403)328-4828

本日の走行距離     0キロ(計2003.8キロ)

出費           7.35$ 電話線、二股ソケット
              5.75$ 昼食(マクドナルド)
              4.07$ 絵葉書郵送料
                22$ 夕食(鉄火丼とカツ丼、久美子)
計           39.17$

宿泊        Ecnolodge

「久美子の言わせて!」
鉄火丼おいしかった。すーぱー満足。今日はお部屋でぐぅぐぅ。
落ちる心配無し。昼から買い物。凄く広いモールだった。顔につけるクリームを
買いたいんだけど、すべてBig size。小さいのが欲しいんだけどなぁ。
もうすこし我慢しようっと。のんびりと過ごした1日でした。




1999年9月19日(日) アメリカ入国、グレーシャー国立公園へ(Entering USA)

 今日は初の国境越えだ。
 Lethbridgeを後にし一路南へ。相変わらず見渡す限りの農場だが、60キロほど走ると地平線の向こうにロッキーの山々が見えてきた。カナダのロッキーと違いゴツゴツした、男性的な山なみだ。
 さらに進むと、道の行く先に白い建物が見えた。国境だ。初めてのことで、若干緊張。カナダ側の税関でカルネに出国した証明のスタンプをもらい、約400メートル先のアメリカ側のゲートへ。航空券やトラベラーズチェックなど、いつでも見せられるように準備していたが、ゲートのおばさんはパスポートを見るだけで通してくれた。ヘルメットも脱いでないのに、どうやって本人確認するっちゅうねん。おそらくロスでトランジットした際にビザウェイバーの緑のカードをもらっていたので、詳しくチェックする必要は無いということでしょう。
 初の国境越えを5分で済まし、目の前に広がるグレーシャー国立公園へ。公園のゲートでは、アメリカの国立公園全てに一年間入り放題の「ゴールデンイーグルパスポート」を50USドルで購入。これからいくつもの国立公園に行く予定なので、この方がお得。だってひとつの公園で20ドル取るところもありますから。
 さて、公園に突入すると、ジャスパーで見た山々よりも、少し小ぶりな感じ。これは期待薄か、と思った瞬間、写真の風景が見えた。さざなみ一つ無いセントメリー湖にバックの山々が写りこみ、何ともビューティフル。アメリカのカメラマニアたちが三脚を並べて写真を撮りまくっていた。カナディアンロッキーに比べて広葉樹が多く、少し色づき始めて秋の気配を感じさせます。早くイエローストーン国立公園に行かないと、本当に雪が降る。
 「Going to the sun road」と呼ばれる道をさらに進むと、道のすぐ脇が断崖絶壁の険しい山道に。そして「ローガンパス」という峠に到着。標高2025メートルとのことで、寒い寒い。この峠は「大陸分水嶺」にある峠で、つまりこの峠の西に降った雨は太平洋へ、東に降った雨は大西洋に流れるらしい。恋人同士の雨粒も、落ちるところがほんの数メートル違うだけで、今生の別れとなってしまうんですね。
 その先は谷の中のワインディングをひたすら下る。日曜日ということもあり、たくさんのバイカーとすれ違うが、8割方はノーヘル。危険という前に、寒くないんかい、と心配になる。中途半端な人もいて、レーサレプリカにビビッドな色の皮ツナギなのに、ノーヘル。でも皆ピースサインに応えてくれるいい人たちだ。
 峠を下ったマクドナルド湖畔のレストランで昼食。ミートローフにマッシュポテトの、何ともアメリカらしい食事をとる。腹を膨らませたあとは、朝予約を入れたイーストグレーシャーの町にあるユースへ。ダブルの部屋が25ドルと安いが、山小屋風の古い建物で、暖房が無いため寒い。久美子が風邪をひかなければいいが。
 夕方早めに着いたので、バイク各部のボルトの増し締めを行う。しゃがんでずっと作業を行っていたら、腰が「ペキッ」と鳴り、あまりの痛さにその場にへたりこんでしまった。軽いギックリ腰だ。もうすぐ28歳、年をとったものだ。へっぴり腰のまま作業を終え、日本へ電話をかける用があったので公衆電話を探してうろうろしていたら、ユースのまわりの商店が全部閉まってしまった。仕方ない、今夜は自販機のコーラとキットカットのみで我慢。幸い昼を遅めに食べたので、あまり腹が減っていない。腰は明日までに治るだろうか。

本日の走行距離   309.2キロ(計2313キロ)

出費         123.10$ モーテル二泊分(カード)
              6.95$ ガス  以上でカナダドル終了
 
                50$ ゴールデンイーグルパスポート
             19,70$ 昼食(ミートローフとバーガー、カード)
             25.30$ ユース代(カード)
              1.50$ コーラ(久美子)
計           130.05カナダ$(カナダ計2789.05ドル)
           96.5アメリカ$

宿泊       East Glacier Internatinal Hostel    

「久美子の言わせて!」
 カナダ脱出成功!無事アメリカに入ったのは良いけど寒い。ユースの中も寒い。トイレ&バスは変なタイマー回してジジジーっていってる間に用を済ませないと電気が消えちゃうし落ち着いて入れない。ごはんも店閉まって買えないし、自動販売機も1.25$って書いてあったのに2.00$入れたのにお釣りが25¢2枚。もー!!すべてついてない。明日はおいしいもの食べてカルシウムとるぞ。 ロビーで私を含め何人か読書をしたり、チェスをやっていた。突然隣のお兄さんが「ぷぅ〜」っとおならをしたが周りにいた皆、何事も無かったかのようにそのまま動じない。私も大人になったなぁと思った。




1999年9月20日(月) ひた走る(A long ride)

 起きたら、腰は大分良くなっていた。でもまだ少し痛む。ユースは9時半までに片付けて出なければならないので、早めに起きて出発する。
 まずはユースの近くのトゥーメディスン湖へ立ち寄る。対岸にシノパー山がそびえ、朝日に映えている。すると、レンジャーと観光客数人が対岸を双眼鏡で見て騒いでいる。何かと思ったら、ブラックベアーが対岸の浜を凄い勢いで走っていた。これで生の熊を見たのは二回目。遠かったが、嬉しかった。熊が森に消えたあと、そこのすぐ近くの山道をトレッカーが三人歩いていた。熊に襲われていなければ良いが。久美子は犬と戯れていた。
 グレーシャーを後にし、山を下ったブローニングという町で朝・昼食。サブウェイに入ったが、店のガラスに銃痕らしき丸い穴がいくつも空いており、なんともアメリカン。(なんじゃそら)
 その後はイエローストーン目指してひた走る。荒野の中の一本道なので退屈かと思いきや、無意味に急カーブがあったり、結構アップダウンがあったりと、意外と飽きない。頭の中ではなぜかアンルイスの「六本木心中」が流れているし(古う〜)、気温も上がってきたし、久美子は背中で大人しく寝ているし、ひた走りモードスイッチオン。結局給油、トイレ休憩を2回はさみ、イエローストーンまで80キロほど残したボーズマンの町まで走ってしまった。割と安いモーテルを発見し、チェックイン。この町にもアクセスポイントがあるのだが、これが非常に優秀。一発で接続でき、HPを更新する。
 それにしても、アメリカの道はかなり暴力的なところがある。直線がどこまでも続くかと思いきや、いきなり直角カーブが現れたりする。片側一車線の峠道を120キロで巡航していても、そこら辺のおばさんの運転するピックアップやセダンが抜かして行く。かなり無理なやり方で。道にもタイヤのブラックマークがいっぱい。一直線の山道の真中に、がけに向かってマークが付いていたりする。これを付けた人は生きているのだろうか。

本日の走行距離  545.5キロ(計2858.5キロ)

出費           4.21$ ガス
              5.86$ 朝・昼食(サブウェイ)
              4.03$ ガス(カード)
              0.59$ コーヒー
              4.20$ ガス(カード)
             37.44$ モーテル(カード)
             12.32$ 夕・朝食(ブリトーやピザなど、カード)
              2.10$ ジュース、パン
計           70.75$

宿泊       Continental Motor Inn