ごり君の帰国が近い。今日はお土産を買いにオルタキョイという若者の集まる町に行くというので、彼につきあってみることにした。
喉の痛みはあいかわらずなので、コーヒー飴をなめながらバスに揺られる。オルタキョイというのはヨーロッパ側とアジア側を結ぶボスポラス大橋のたもとにあり、バスで20分ほどかかるのだ。
今日は普通の日曜日ではなく、アタチュルク記念日または青少年の日といい、とにかくトルコ人にとっては国民の休日で、通りから建物までみんな真紅の国旗をぶらさげて「トルコ万歳!」と祝う日なのである。
この国旗、よく見るのだけど、どうも共産主義を連想させるんだよな・・・赤と星だもんね。
さて、オルタキョイに着いてみると、そこは狭い路地にアクセサリーやアンティークの露店が並ぶ、ちょっとしたノミの市になっていた。ごり君はトルコ石のついたアクセサリーを買ったが、値段は重さによって決まるみたいで、店主は貴金属用の精巧な電子量りを取り出して重さを量っていた。
ノミの市を抜けてボスポラス海峡の方へ出ると、そこにはおしゃれなカフェやレストランが並んでいた。
最近イスタンブールではベークド・ポテト屋が流行っていて、焼きじゃがいもにサラミやマヨネーズサラダなど、お好みの具をのせて食べるのだ。かなり大きいじゃがいもだが、一個約400円と値段の方もしっかりしている。僕たちは2人で一つを分けあった。
空の晴れ渡った休日で、飲食店はカップルや家族連れで大賑わいだった。オルタキョイは東京でいえば代官山や原宿のような雰囲気で、断じて三十男が2人で行くところではない。それでもけっこう楽しかったけど・・・。
オルタキョイの小さな酒屋では、スコッチが一瓶600円で売っていた。イスタンブールでも探せば酒の安い店がみつかるが、宿の近くにないのが残念だ。アニスの香りがきつい「ラキ」ならどこでも売っているが、いい加減飲み飽きてきたのだ。
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