またトラブル発生。エンジンガードを兼ねた工具箱にかけている南京錠が、こわれて開かなくなってしまったのだ。チェーンにグリースをさしたいところなのだが、グリースも錠前を壊せるような道具も工具箱の中。仕方ない、このままヘルシンキまで走ろう。
今日もラップランドを一路、南下する。ノルドカップ周辺もそうだったが、このあたりは野性のトナカイが多い。運転に気をつけないと、道路の真中でトナカイがボケ〜っとしていたりするのだ。
しかし針葉樹の森の中を闊歩するその姿は、北欧の雰囲気そのものである。
300キロ走ったあたりで、北極圏を脱した。
北緯66度32分、境界線上の村ロヴァニエミは「サンタクロース」の村として知られ、世界中の子どもたちからここの郵便局にサンタクロース宛の手紙が届く。その数、累計で600万通。
170を越える国々から手紙が寄せられているが、一番多いのはキリスト教国を押さえ、わが日本。そういえばフィンランドのサンタクロースに手紙を出すと返事が来るって話、よく日本のテレビでやっていた気がする。
ロヴァニエミのスーパーに寄って買物をしたが、久々に見る大型スーパーで、ノルウェーに比べると格段に物価も安い。ノルウェーの田舎では個人商店並みの大きさのスーパーしかなく、食品の選択の幅が少ない上に目の玉が飛び出るほどの高さだったので(たまご6個200円、小型ソーセージ4本300円・・・)、貧しい食生活を強いられていたのだ。
勢い余って、スーパーのカフェでハンバーガーを食べてしまった。久々に食べる温かい昼食は・・・うまい。
たまに雨に降られながら、その後も南に走り続け、夜8時ごろ、Kajaaniという町のキャンプ場に入って値段を聞いてみる。するとコンセントも使えるきれいな芝生のキャンプ場で、値段は40マルカ(約700円)。肩の力が抜けた。1000円以上は確実にすると思っていたのに、これなら昨日も無理して野宿しなければ良かった。
そんなわけで、今夜は久々のキャンプ場でゆっくり夕食を食べて日記を打った。昨日から750キロも南下したので、さすがに暖かい。昨夜野宿したときはテントの中でも摂氏7度しかなかったのに、今日は16度もある。
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