トリアーからルクセンブルグとの国境は10キロちょっと。あっという間に国境に着くが、道路脇の看板が無ければ越境したことに気付かないほど、何にもない国境だった。
ベルギーとフランス、ドイツに挟まれたルクセンブルグ大公国は神奈川県と同じ大きさほどの小さな国だが、人々の生活レベルは非常に高いらしい。国境から30キロほどで首都のルクセンブルグ市に着くが、丘の上のこじんまりとした首都で、歴史的な建物と近代的なビルが共存していた。
時間があればゆっくり見たいのだが・・・そのまま通過する。
次の国ベルギーとの国境も何にもなく、いつのまにか入国していた。ルクセンブルグほど小さい国ではないが、国道を飛ばしたらすぐに首都のブリュッセルに到着した。
久々の大都市、「地球の歩き方」と「ロンリープラネット」の両方の地図と睨めっこするが、道が全然わかんない。小雨もパラつき、イライラがつのる。市内を1時間ほどグルグル回り、ようやく街の中心となる広場グラン・プラスと、そこにあるインフォメーションセンターを発見する。
あどけなさが残るお姉ちゃんから市内地図をもらってキャンプ場を教えてもらい、さっそく向かうが・・・教えてもらった通りは思いっきり中心地、こんなところにキャンプ場があるはずが・・・あった、あったよ、教えてもらった番地にインターネットカフェが。わしゃテントを張りたいちゅーに、誰がインターネットしたいと言ったよ・・・。情報まであどけなさを残さないでほしい。
そこから、また延々と混雑した市内を走ってまで広場に戻りたくはない。見るべきものは多いはずだが、今回は縁が無かったということで・・・ブリュッセルを後にする。
ブリュッセルの次はルーベンスゆかりの地アントワープ、距離にして40キロほど。ベルギーも高速道路はタダなので、使わない手はない。
アントワープに着くころには、インフォメーションセンターは閉まっている時間になってしまった。「ロンリープラネット」にキャンプ場は2ヵ所載っているが、見所の集まる旧市街に近い方はシュヘルド川の反対側。キャンプ場はすぐそこなのに、川を渡る橋やトンネルが全然見つからない。
アントワープもグルグル回った末、川の下を通るトンネルをくぐるためには、いったん高速道路に乗らねばならないことを地元の人から教えてもらった。
さんざん苦労してキャンプ場に着く。はあ、疲れたぜ・・・と思ったら、なんと「今夜はいっぱいです」との冷たいお返事。若干、発狂しそうになる。
もう一つのキャンプ場は郊外にあるが、今日のパターンだと簡単に見つかるはずはない。もし見つからなかったら、もうブチ切れて高級ホテルにでも泊まったろうかい!と覚悟したら、あっけなく発見。しかもさっきのキャンプ場の混雑がウソのようにガラガラで、料金はわずか360円・・・。はー、疲れが報われた。
まだ明るいが、すでに時刻は午後9時。市内に繰り出す気力はなく、そのままキャンプ場で過ごした。
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