旅の日記

ポルトガル編(2001年6月22〜24日)

2001年6月22日(金) ポルトガル入国(Entering Portugal)

 今日は疲れた。
 セビージャを後にして目指したのはポルトガル。イベリア半島西部に、スペインから間借りしているように存在しているあの国である。かつては七つの海を股にかけた海洋大国だったが、今ではその面影はすっかり消え、人々はひっそりと穏やかに生きているという。

 セビージャからポルトガルの首都リスボンまで、あいかわらず主に一般国道を使ったのだが、やっぱり暑いこと暑いこと・・・。スペインとポルトガルの国境はノーチェックどころかゲートに誰もいなく、素通り。やはり西欧の国境の意識は違う。
 リスボン市内に入る頃には、暑さでかなりバテていた。市内のインフォメーションセンターの対応はとてもよく、ていねいにキャンプ場を教えてくれた。これで対応がぞんざいだったり閉まっていたりすると、疲れが倍増するところだ。

 街の中心からキャンプ場は数キロ離れており、1度テントを張ったらもう市内へ行く気にはならなかった。幸い近くに大きなスーパーがあったので、そこで買出しをする。
 リスボンは風が涼しく、やはりアンダルシアとは一味違う。これが人々の性格に出ているのだろうか。


本日の走行距離         424.3キロ(計44953.6キロ)

出費                   3850P   ガソリン
   150P  ジュース
   960E  高速代 
   700E  昼食(マクドナルド)
   620E  食材買出し
計       4000P(約2530円
       2280P(1ドル=約230エスクード、約1190円
宿泊         Camping Lisboa


2001年6月23日(土) リスボンでぶらぶら(Gentle city of Lisboa)

 首都リスボンには、何もない。
 いや待て。否定的に言っているのではない。パリのエッフェル塔、ロンドンのビッグベン、ニューヨークの自由の女神・・・などのように、世界的な観光名所が無いのである。だからあくせく観光に追われることなく、初めからのんびりできるのである。
 街はテージョ川の河口に面しており、海からの風が涼しい。インフォメーションセンターでもらった地図を片手に、風を感じながら丘の多い市内をのんびり歩く。疲れたら路面電車や、きつい坂に設けられたケーブルカーに乗ればいい。リスボンは、アンダルシアの太陽にうかされた旅人が一休みするには最適の場所なのだ。
 気候も穏やかである。確かに太陽は白い壁とオレンジ色の屋根を鮮やかに照らし出すが、ギラギラした感じはない。だから人も文化も、南スペインのように熱く激しくはないのだろう。

 そんなこんなで、今日はのんびりとリスボンを散策。
 カテドラルやサン・ジョルジェ城、ベレンの塔など一応の観光スポットは訪れたのだが、いちいち説明するのは意味がない気がする。リスボンは、そんな気持ちにさせる街だ。
 ただ、こんなリスボンでも夏祭りの期間らしく、街を見下ろすサン・ジョルジェ城の特設ステージでは音楽が演奏されたり、民族舞踊が披露されていた。各地方のパビリオンも並んでいて、特産のチーズやワインなどが配られていた(ように見えた)ので列に並んだら、前の老夫婦はけっこう良い金額を請求されていた。危ねえ、危ねえ・・・。
 夜もきれいなキャンプ場でのんびり自炊。いいなあリスボン。少しのんびりしようかなあ。


本日の走行距離          47.5キロ(計45001.1キロ)

出費                    250E  コーヒー
   200E  ビール
   1040E  食材買出し
計       1490P(約780円
宿泊         Camping Lisboa


2001年6月24日(日) ユーラシアの西端に立つ(Western tip of Europe)

 とか何とか言って、また移動してしまった。中南米ではあれだけのんびりしていたのに・・・。きっと、早く物価の高い西欧&北欧を抜けてしまおうという貧乏根性のなせる技だと思う。

 まず向かったのは、ユーラシア大陸の西端ロカ岬。
 リスボンからわずか30キロほど、途中の道もけっこうなワインディングであることから地元ライダーの溜まり場らしく、日曜日ということもあって駐車場には大小さまざまなバイクが並んでいた。
 数十人はいるライダーの一人によると、先週は40度近い暑さだったそうだが、今日の岬は霧に覆われて肌寒い。この先ははるかアメリカまでずっと海な訳だが、今日は水平線すら見えなかった。
 しかし、この方が旅情をさそって助かる。実はこの前までもっと西のモロッコにいたので、違う大陸ではあるものの、西端の岬に立ってもあまり感慨深さを感じないのだ。これが日本から西向きに走ってきたライダーだったりすると、どんな雰囲気だろうが感激100万トンなのだろうが。

 その後はしばらく北上してからスペインに戻ることにした。本当はポルトガルを縦断し、スペイン北部の海岸まで行きたかったのだが、いちいち見ていてはキリがない。もうスパッとスペインと横断し、バルセロナを見てフランスに抜けよう。
 ロカ岬からは田舎道で北上する。カーブが多くたいしたスピードが出ないが、涼しいので気持ち良い。スペインとの国境に近いGuardaという町までふんばって走り、そこのキャンプ場に泊まることにする。結局、今日も疲れてしまった・・・。

本日の走行距離         453.2キロ(計45454.3キロ)

出費                   4000E  リスボンのキャンプ場2泊
   3550E  ガソリン
   700E 昼食(ピザ)
計       8250E(約4305円
宿泊         Parque Campismo Municipal da Guarda