今日でロンダともお別れ。快適だったキャンプ場を後にし、最後にインターネットカフェに寄ってHPのアップロードとメール送受信を行う。これがヨーロッパでの最後のネットだろう。
ロンダから地中海に面したアルヘシラスまでは、ずっとシエラ・ネバダ山脈を下る事になる。まるでWRCラリーのスペシャルステージのような断崖のワインディングだ。チリでイギリス人ライダー、クリスに売ってもらった中古のリアタイヤ(ミシュランT66X)が、ここに来てよく滑るようになった。山はまだあるのだが、タイトコーナーの立ちあがりでアクセルをラフに開けるとスッと流れる。あまりにも自然に滑るので、最初はこの変な挙動が本当にドリフトなのかどうか疑ったほどだ。まあ、まだ走れる。モロッコから戻ったら換えよう。
予約の入れてあったユースホステルは、アルヘシラスからさらに10キロほども南下した郊外にあった。山の斜面にある、こじゃれたホテルのような施設。人も少なく、部屋も個室できれい。南スペインのユースは高いが、これなら納得できる。
一息入れてアルヘシラスの街に出る。
言われていた通り、モロッコへの玄関口となるこの街は、他のアンダルシア地方の都市とは雰囲気がだいぶ違い、アヤシイ感じがする。アメリカに面したメキシコのティファナがそうであるように、またモロッコ側のタンジェがそうであると聞くように、貧富の差のある2国間の国境の街には、貧しい側が富める側のスキをうかがう特有のアヤシサがあるものだ。
ちょっと早いかもしれないとも思ったが、モロッコに備えてオイル交換をする。しかし意外なほどオイルは汚れていた。この暑さで酷使したせいかもしれない。
夕食は大きなスーパーの食堂で食べた。考えてみればスペインに来てから、ファストフードや酒の肴でないものを外食するのはこれが初めて。モロッコは物価が安いはずなので、食事に期待だ。
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