日本から送ってもらっているパソコンはまだ届かないが、そろそろヨーロッパに渡る準備も本格的に始めなくては。というわけで、本日はハーレーの武田さんと2人でサンチャゴへ出かけた。武田さんもこの後ヨーロッパに渡る予定なので、どうせなら一緒にバイクを送ろうということになったのだ。天気もよく、ちょっとしたツーリング気分でサンチャゴまでのハイウェイを飛ばす。
まず向かった先は、サンチャゴ市内のちょっと手前にある国際空港。そのカーゴ(貨物)専用ターミナルにあるスイスカーゴのオフィスに行き、バイク空輸のダンドリをつけるためだ。
オフィスは分かりにくいと電話では言われていたが、ターミナルに入ってすぐにみつかった。電話で相談していたのはカルロスという(おそらく)チリ人だが、今日はあいにくと休みで、かわりにその上司のマティアスという白人が対応してくれた。オフィスの一番奥、唯一ある個室に座る彼はこのオフィスで一番偉いのだろう。きっと、スイス本国から派遣された責任者なんだろうなあ。
彼と直接話ができたことが、我々に幸いした。権限ある彼がOKと言ってくれれば、オフィスのほかの誰が何と言おうとOKなのである。
一時帰国する前にカルロスと電話で話したときには、ヨーロッパの主要都市までバイク一台(実重量300キロまで)、運賃が一定料金670ドル、燃料代1キロあたり10セント、危険物手当て50ドル、手数料30ドルとのことだった。最終目的地はスペインが希望だったのだが、経由地となるスイスとスペインとを結ぶ貨物飛行機が小型でバイクが積めないから、スイスまで送ってそこから自走してスペインまで行こうと考えていた。
しかし、先日クリスから聞いた話では、スイスカーゴもバイクなどの危険物をチリ国外に持ち出せなくなり、唯一それができるラン・チリ機でアルゼンチンのブエノスアイレスまで運び、そこで飛行機を乗りかえる必要が出てきたという。飛行機を乗り換えるので、バイクを木製のパレットに載せて厳重に梱包しなければならない。その手間と費用が余計にかかるようになったというのだ。その話をきいたとき、だったらブエノスアイレスまで自走して、そこから飛行機に積んだ方が安いのでは、と思ってブエノスアイレスのスイスカーゴのオフィスに電話してみたのだが、提示された金額はチリからの料金より高かった・・・。
ところがマティアスは、確かにブエノスアイレスまでラン・チリを使わねばならなくなったが、カルロスの提示した金額のまま、木製のパレットも梱包もすべて面倒みてくれるという。さらにさらに!スイスのチューリッヒからスペインのマドリッドまで、トラックで輸送してくれるという。その分の追加料金も一切なしだ。
おお!なんという好条件。私と武田さんの頭の中で、マティアスコールが沸きあがった。さっそく来週、火曜日の便で発送する予約をし、その前日の月曜日にバイクを預ける約束をしてオフィスを後にする。すんなり決まって本当に良かった。
バイク空輸のダンドリがついたあとは、我々のチケットだ。武田さんはこのままサンチャゴに留まるというので、バイクが停められる宿にチェックインし、地下鉄で学生専門の旅行会社に行く。不正取得の学生証を提示し、マドリッドまでの一番安い片道チケットの学生料金を教えてもらうと440ドルだという。悪くない。航空会社名を聞くと、私にとっては憎きヴァリグ・ブラジル航空(私はサンパウロ〜日本の往復マイレージ、23000マイルを反故にされた)だった。
つまりサンパウロでトランジットなのだが、そこで武田さんの目が輝く。ブラジルに行ったことのない武田さんは、これでサンパウロ観光もできて一石二鳥なのだ。しかもストップオーバーの追加料金は無し。私もサンパウロに寄ろうかと一瞬考えたが、わずか数日のためにブラジルのビザを取得するのが面倒なので、やめて直接サンチャゴからマドリッドに飛ぶことにした。
飛行機はけっこう混んでいて、取れた予約は5月13日サンチャゴ発、14日マドリッド着だった。武田さんは8日にサンチャゴを出て、サンパウロに着く。そこから彼も13日にマドリッドに飛ぶので、サンパウロ〜マドリッド間は同じ飛行機になる。その機内で再会できるわけだ。
無事、航空チケットも買った我々はすっかりヨーロッパに向けて興奮気味。いよいよ旅の次のステップが見えてきたぞ!
マクドナルドで軽く食事をした後、武田さんと別れて一人でビーニャデルマルに戻る。武田さんはこの後、サンチャゴでブラジルのビザを取得しなければならない。次に会うのは来週の月曜、スイスカーゴにバイクを預ける時だ。
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