朝方、ひどい雨が降っていたので出発を延期しようかとも思ったが、時間が経つにつれて天候は回復してきた。昨日の電話屋に行ってメールの送受信だけ行い、プエルト・モンを後にする。思い残しはカニを食べていない事だが、カニは南米最南端のウシュアイアでも食べられるのだ・・・。
さて、プエルト・モンから南、チリの国土はまだまだ続くのだが残念ながら道が無い。未舗装路とフェリーを繋げばあと少しは南下できるのだが、早くウシュアイアに着きたい私はオソルノまで戻り、そこから東に折れてアルゼンチンに入国するルートを選んだ。アルゼンチンに入れば広大なパンパ(平原)を延々と南下するハイウェイがある。
出発して3時間ほどで美しい森の中にある峠の国境に到着した。両国の係官ともカルネ(通関書類)の扱いに慣れており、手続きは簡単だった。国境付近で小雨に降られたが、アルゼンチンに入国して山を下るとふたたび青空が広がった。
今日の目的地は美しい湖に面した一大リゾート地、バリローチェと決めていたが、夕方ごろ到着すると思ったほど街はきれいじゃ無かった。(たまたま通った場所だけかもしれないが)
別にバリローチェにこだわる必要もないので、さらに進む事にする。しかし20キロほどいくと湖に面した静かなキャンプ場があったので、今夜はそこに泊まることにした。
テントを張ると目の前には鏡のような湖、そして対岸には頂に万年雪をのせた山々がそびえている。なんて贅沢なキャンプ場だろう。残念ながら近くにスーパーなど無いので(あったら逆に幻滅かも)、夕食は塩かけ白米と味噌汁のみだった。しかしキャンプ場の受け付けでワインを売っていたので、1本買って赤く染まる湖を見ながら飲んだ。とても穏やかで美しいひとときを過ごした。
しかしこれから南、もっと美しい景色が待っているに違いない。
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