旅の日記

チリ・サンペドロ・デ・アタカマ編その2(2000年10月23〜25日)

2000年10月23日(月) ツアーの本当の終わり(The very end of Uyuni tour)

 ドライバーは午前3時半に起こすと言ったが、実際は午前4時半だった。宿泊所のベッドは埃と砂まみれで、トイレなどは電気もなく、便器もどこにあるのかわからない状態だったが、それでも大分疲れが取れた。

 チリ目指して走り出すと、やがて空が白みはじめてきた。そして陽が上がり、真っ青な空の下、朝日を浴びながらハイラックスは悪路を走り続けた。
 午前9時ごろ、行きに車を乗り換えたラグナ・ブランカの基地に無事到着。すでにこれからウユニに向かう客が朝食を取っており、われわれを乗せてきたドライバーもこの足で客を乗せ、とんぼ帰りらしい。きつい仕事だなあ。

 我々も基地で朝食を取り、やはり大型のバスに乗り換えてチリとの国境に向かう。行きと同じ小屋でボリビアの出国手続きを済ませ、国境を越えると、やがてバスはサンペドロへ向かう舗装路に出た。3日ぶりの舗装路、バスの運転手は「ようこそ、文明社会へ」と言ってみんなを笑わせた。
 サンペドロに着くと、バスはチリ側のイミグレーション・オフィスに向かった。出国の際は荷物検査など無かったが、さすがにコカインの一大産地であるボリビアからの入国となるとそうはいかない。乗客は一列に並ばされ、荷物の簡単な検査を受けた。

 その後バスは町のツアー会社に向かったが、途中で我々の宿の前を通ったので、そこで降ろしてもらう。これで本当に3泊3日半のツアーは終了した。高山病などに見まわれ、シャワーも浴びれず、食事も乏しかったが、それでもウユニ塩湖は最高だった。まちがいなくペルーのマチュピチュ、ブラジル(&アルゼンチン)のイグアスの滝、ベネズエラのギアナ高地、そして南部パタゴニアと並ぶ、南米のマストプレイスだ。今度バイクで下りてくるときに天候が合えば、ぜひまた行こう。

 宿に着いてまずしたことは、4日ぶりのシャワーと洗濯。体、服ともに埃だらけだった。 すっきりした後は、昼寝を挟んで日記。3日半で撮ったデジタル写真は実に197枚。写真を選ぶだけで大変だった。
 エクアドルに帰るまであまり時間の余裕は無いが、あまりにも疲れたので、明日もここに泊まる予定だ。


出費                   15B  ボリビア出国税
計        15B(約260円)
宿泊          Camping Los Perales


2000年10月24日(火) 日記を打つ(Writing diary)

 今日は一日、日記を打っていた。3日間のウユニ塩湖ツアーは色んなことがありすぎて、ついつい文章が長くなってしまった。読む人がうんざりしそうな勢いだ。
 夕方に打ち終わった日記をアップロードしにAtacama Onlineへいくが、何故か閉まっていた。仕方なく、別に見つけたカフェに行って接続させてもらう。
 帰りに町の土産物屋で趣味のいいTシャツを見付けたが、買うかどうか迷っている間に店は閉まってしまった。こうなると、やっぱり買っておけば良かったと思う。明日は朝一番でこの町を出発するが、この町にはバイクでまた来ようと思う。のどかで雰囲気のあるいい町だ。


出費                  1500P    インターネット
            7000P  宿代2泊分
計        8500P(約1610円)
宿泊         Camping Los Perales
インターネット    名前忘れた!カフェ何とか・・・


2000年10月25日(水) 激走の始まり(Heading North)

 最後の大物ウユニ塩湖を見終わり、「牛次郎」の旅はエクアドルに戻るのみとなった。ウメさんたちはマチュピチュ遺跡もティティカカ湖も、ナスカの地上絵も見ているので、それらは私がバイクで下ってきた時に見ればよい。
 とりあえず、次の目的地はペルーの首都リマ。サンペドロからだと約2000キロの行程だ。ウメさんたちがリマで会いたい人が28日までしかいないので、実質3日で走らねばならない。気合を入れなければ。
 朝一番の出発を試みるが、1週間ほったらかしだった牛次郎のエンジンはやはりかからない。宿のお兄さんに手伝ってもらって一生懸命押すが、ウンともスンとも言わないのだ。こうなったら人力での押しがけは無理、トラックに引っ張ってもらってその勢いでエンジンをかける。まったく手のかかる牛だ。

 ようやく走り出すと、ウメさんがある事に気がついた。アルゼンチンあたりから完全にセルモーターが回らなくなり、毎朝の出発時はもちろんのこと、ガソリンスタンドで給油する際にも再始動する時には押しがけが必要となっていた牛次郎だが、エンジンが回っているときにセルを回してみてはどうか、というのだ。確かにセルが回らないのはモーターやバッテリーのせいでは無さそうだ。どうも、モーターとエンジンの間のフライホイールあたりに何かが引っ掛かっている感じなのだ。
 走りながらセルを回してみる。ギャン、ギャンとイヤな音がするが、かまわず回す。そしていったんエンジンを切り、セルを回して見ると、今まで全く無反応だったセルがキュルキュルと勢い良くまわり、エンジンがかかった!どうやらひっかかっていた部分が外れたようだ。いちいち押さなくてもいいというのは、我々にとっては革命的な便利さだ(エンジンの冷えきった朝は無理だろうが)。

 セルが直って気を良くした我々だったが、夜になってファンベルトが滑って鳴き出すようになった。ジェネレーターの位置をずらしてベルトの張りを調整するが、すぐまた鳴り出してしまう。良く見るとジェネレーターを固定するボルトのうちの一本が欠落し、ちゃんと固定できないようになっている。仕方なく、ギュルギュルうるさいまま走る。
 サンペドロから約650キロ北、ペルーとの国境の町アリカに着いたのは深夜だった。この町のキャンプ場にはホンダ・ゴリラで世界1週中のマサ(伊原君)がいるはずだ。本当は今夜、同じところに泊まりたかったが、遅すぎてキャンプ場は発見できなかったので、いつもの通りガソリンスタンドの裏に停めて寝た。


出費                  1300P    夕食(チキン)
計        1300P(約250円)
宿泊         アリカの町のスタンドに停めた牛次郎