21日朝、「達磨」を後にした我々はカルタヘナを目指して北上を開始した。
しかし、2日で着けると考えていたものの、地図で確認するとカリからは1100キロもあった。21日は2回に渡る道路の通行止め(それぞれ1時間以上待たされた)や険しい山道、数回の検問で距離がなかなか稼げず、12時間かけてメデジンの30キロ手前までしかいけなかった。道路沿いに適当なホテルがあったので、その日はそこにチェックイン。
22日も早起きし、ウメさんと交代交代でひたすら北を目指す。午前中は山道が続いたが、 午後から牧草地帯を走るまっすぐな道となり、快調に飛ばせた。はるかパタゴニアから続いているアンデス山脈の北端を越えたのだ。しかし、22日も12時間近く走ったにもかかわらずカルタヘナまで届かず、約180キロ手前のシンセレホで泊まることになった。カルタヘナは明日の午前中に持ち越し。
安宿を探すが、街の中心はガラが悪く、街外れのホテルにしたが結構高かった。まわりの食堂の相場も高く、北上するにつれて物価が確実に上がっている。ベネズエラはもっと高いだろう。先が思いやられる。
コロンビアを走っていると、実に多くの検問に出くわす。特にカリ〜メデジン間は数十キロおきにあり、ゲリラや麻薬犯罪に頭を悩ませている様子がよく分かる。普通は運転手のパスポートや免許証、車のペルミソを見せると終わるが、しつこい係官だと全員分のパスポートや、車の保険のことを聞いてくる。我々は義務付けられているコロンビアの自動車保険に加入していないので、海外旅行保険の証書などを見せて切りぬけるが、納得させるのに5分はかかる。しかし荷物検査まで行ったことはまだ無いので、まだましな方か。コロンビアの警官の印象は非常に良く、難癖をつける様子などは全く無い。初めは見るからに怪しい我らが牛次郎に疑惑の目を向けるが、旅行のことやエクアドルで車を買ったことを話すうちに表情が和らぎ、最後はたいてい笑顔で見送ってくれるのだ。
またコロンビアは緑豊かな、非常に美しい国であることを知った。今まで通ってきた山岳地帯は眩しい緑に覆われ、道の脇には名も無い滝があったりする。ゲリラや麻薬のことばかり話題になる国だが、普通に旅行している分には不安はあまり感じず、訪れた旅行者が口をそろえて勧めるのがよく分かる(キトの旧市街の夜の方が格段に恐かった)。
これから訪れる港町カルタヘナは、そんなコロンビアの中でも最も美しい街だという。明日が楽しみだ。
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