旅の日記

メキシコ・ユカタン編その2(2000年3月4〜10日)

2000年3月4日(土) カンクン到着(Arriving in Cancun)

 さあ、ユカタンの二大遺跡を見た後は世界でも有数のリゾート地であるカンクンへ。ピステの町から200キロ弱だが、いつになくケチって一般道で行ったので3時間近くかかった。
 昼過ぎにカンクン到着。カンクンといってもビーチがあるのは高級ホテルゾーンの方で、我々の目的地である安宿「カサ吉田」は海から離れたダウンタウンの方にある。いつのまにかダウンタウンまで来ていて、危うく通りすぎるところだった。
 さて、「カサ吉田」の近くまで来ているのだが、日本人宿はあいかわらず分かりにくい。住所を頼りに探すが、それらしき建物が無い。そこら辺にいたパトカーに先導させるが、警察もよく分かっていないようだ。jその時、日本人が3人歩道を歩いていたので聞いて見ると、見の前の建物だという。なんだ、ここは何回も通ったぞ。よくみると窓に小さな紙で「かさ吉田」とある。無事到着なのだ。
 「カサ吉田」にはペンション(個室)とドミトリーがあるが、ドミトリーの方でもバイクが置けるというので「アミーゴ」以来の夫婦別室。一人一泊8ドルというが、物価の高いカンクンでは貴重。しかし驚いたのが、宿泊客の年齢層の若さ。ほとんどが20台前半、卒業旅行という人も多い。そして、みんな真面目(?)な旅人だ。だって、昼間居ないんだもん。「アミーゴ」だったらまず昼間から沈没組がヒマそうにしているというのに。
 インターネットカフェはカサ吉田のすぐ近くで発見、LAN接続全く問題なし。夜はビールを飲みながら若人たちと談笑。同じ大学の後輩が3人もいた。さあ、「カサ吉田」ではどんな沈没生活が送れるか。

本日の走行距離   211.4キロ(計19195.4キロ)

出費              4N$ ジュース
                52N$ 昼食(定食)
             27.30N$ 蚊取り線香、スナック
            102.84N$ 夕食の買物
                25N$ インターネット代
計          211.14N$

宿泊            カサ吉田
インターネットカフェ    Zoom Travel Computer rent(1時間25ペソ、LAN接続可能)

「久美子の言わせて!」
 ほんと昼間の日差しの中、走るとあついなあ。昨日はチチェン・イツァーへ行ってきた。
夜のショーはいま8(いまいちよりダメ)。つまんなくて寝そうだった。なんかショーっていうから、レーザー光線バシバシかと思ったのに、遺跡にひとつずつぼーっとライトがあたって、あやしいアナウンスというか、セリフが流れておしまい。あれで蚊に刺されていたらもっと怒ってたけど、まーそんなもんでしょ。ともかくカンクン到着。明日はビーチでのんびり観光するぞ!



2000年3月5日(日) 青い海(The beach in Cancun)

 今日はビーチへ。バイクは苦労してカサ吉田のリビングに入れたので、バスで高級ホテルゾーンへ。
 ホテルゾーンは細長い洲に沿ってあり、その大西洋側は全長20キロ以上の白いビーチ。そして、海がメチャクチャ、本当に真っ青できれい。大枚はたいて行ったキューバよりも、格段に美しい。気象条件などもあるだろうが、それでもビックリした。来て良かったぞ、カンクン。
 ビーチでしばらくのんびりした後は近くのショッピングモールを冷やかす。さすがに高いが、こんなに綺麗なモールはロス以来だ。キューバが近いためか、キューバ葉巻の店が目立つ。
 宿に戻ってからはゆっくり日記を打つ。カンクンを拠点として周辺の島やビーチへ行こうと画策していたが、今日の海の綺麗さに正直ショックを受けた。まずはカンクンを攻めねば、明日は本腰を入れてカンクンのビーチでリゾートするぞ。

本日の走行距離       0キロ(計19195.4キロ)

出費             18N$ バス
                55N$ 昼食(定食)
                10N$ ジュース
               112N$ 写真現像代
             84.82N$ 日焼け止め
             19.50N$ ビール
                89N$ ラム酒
計          388.32N$

宿泊            カサ吉田

「久美子の言わせて!」
 ビーチはとってもきれい!青い空、白い雲、透き通る海!これぞカリブ海!最高―!キューバより綺麗かも…。ビーチでのんびりしようと思ったら、さすが観光地、人が沢山いて賑やか。明日はもうちょっと人の少ない静かなところで日焼けでもしようっと。街で見かけたあのセクシー水着ほしいなぁ。えーい買ってしまえ。ちなみにNew水着ショットは非公開。見たい人は急いでカンクンまでくるべし!明日はまたカンクンのホテル沿いのビーチへ行くぞー!日焼け&海で泳ぐぞー!まっくろくろすけになるが、ここまできたらもう焼いてしまえ。思う存分海を満喫するぞー! 



2000年3月6〜9日(月〜木) カサ吉田の生活(Life in "Casa Yoshida")

 昨晩は若人たちと深酒しすぎた。6日は二日酔いで前日に引き続きホテルゾーンの「チャックモール・ビーチ」へ。ここは白い砂浜の中に小さな岩場や入り江があって、変化に富んでいて楽しい。まわりは白人観光客でいっぱい。さすがに高級ホテルが立ち並ぶリゾート、育ちのいい客が多いのか、金髪の美男美女が多い。日本人の出る幕など無し。夜はカサ吉田の宿泊者たち全員で夕食を作って食べた。それでも17人、アミーゴに比べると小さい宿だ。それにしてもみんな若いなあ。
 7日はカンクンのセントロでも最大級というショッピング・モール「ラス・アメリカス」へ。アメリカ並みのデカサを期待したが、そんなでもなかった。店舗街も一階のみだったし。カサ吉田の情報ノートに日本食屋があるというのでフードコートに行って見たら、ファストフード調であまりおいしそうじゃなかった。結局ピザを食べて退散。宿へ戻ったのち、元プログラマーのゴローさんがCD−Rドライブを持っているというので、グローバルIMEをCDに焼いてもらった。このソフトはマイクロソフトが無料で供給しているソフトだが、これをインストールすれば日本語環境が無いカフェのパソコンでも日本語の読み書きができるようになるというスグレもの。大きさは6MBほど、今まではフロッピー5枚に分割して持っていたが、これだとインストールするのが大変なのだ。その分一枚のCD−ROMに入れておけばインストールも一発、手間も時間もかかりません。これで必ずしも自分のパソコンを繋げなくてもインターネットが簡単にできるぞ。
 8日は再びビーチへ。いつもの「チャックモール・ビーチ」より南の静かな方まで行ったが、風があるために波が荒く、昨日買ったシュノーケルを活用できなかった。近々カンクン沖合の島コスメルに渡るので、そこで活躍させよう。でも、溺れないように浅いところでね。
 本来であれば9日に沖合の島コスメルに渡る予定だったが、フェリーの時間がなかなか合わず、10日にした。なので9日はゆっくりインターネット屋に行ったり、ホテルゾーンに買物に行ったりした。久美子が写真や不要になった服を日本に送るというので郵便局に行ったが、午前9時から11時の間でないと受け付けられないという。仕方なしに、これも明日に延期。明日出発なので、夜は深酒は避けようと思ったが、またラム酒で酔っ払ってしまった。やはり学生のペースで飲むと、体がもたない。

四日間の走行距離     0キロ(計19195.4キロ)

出費             59N$ バス
               439N$ 食費(シューケルをなぜか含む) 
             94.30N$ ビール、水
                30N$ フィルム
            115.70N$ CD−R5枚
                16N$ アイス
                95N$ インターネットカフェ
計             849N$

宿泊            カサ吉田
インターネットカフェ    Zoom Travel Computer rent

「久美子の言わせて!」
 
「カサ吉田」での最後の晩餐。CD―Rを作ってくれたゴローさんにお礼といってロンを買ったので、それをコカ(コカコーラ)で割って大人たちは飲んでいた。卒業シーズンなので学生が多く、奥のテーブルでは学生は学生のノリで祝杯をあげていた。ゴローさんとカズがメスカル(味はテキーラっぽい安い酒)をすすめると学生どもは無視し、他の酒を買いに酒屋へ走った。「なんじゃー安い酒は飲めんのか!」と大人チームは激怒。学生の中にオヤジキャラ「長さん」がいてみんなに飲ませる飲ませる。面白いようにひとりふたりとつぶれていった。うーん若いなぁと思った自分が妙に年上に感じた。年上から見れば自分もこんなんかなぁとちょっと反省。気をつけようっと。結局安い酒でよかったんじゃん。もったいないなぁ。



2000年3月10日(金) プラヤ・デル・カルメン(Playa del Carmen)

 今日はいよいよカサ吉田をチェックアウトしてコスメル島へ渡る。昨日の酒が若干残っているが、朝一番で郵便局へ行って小包を出す。シティの郵便局はガムテープなどが置いてあって使わせてくれたが、カンクンの郵便局は荷物を紙で包装し、ひもをかけろとうるさい上に、全部裏の文房具屋で買わなくてはならない。ありゃ、絶対文房具屋とツルんでいるぞ。
 戻って6日分の宿泊費を払い、みんなに見送られてさっそうと出発、のはずがエンジンの調子が悪い。アイドリングが安定せず、アクセルを開けると止まってしまうのだ。フェリーの出航時間は午後2時、その2時間前には来いと言われていたが、時間はどんどん迫る。しまいにはセルを回してもウンともスンとも言わなくなった。こりゃプラグがカブったかと2本とも苦労して交換したが(DRは本来カウルを外さないとプラグが抜けないが、無理やり手を突っ込んで外した)、それでもかからない。作業を見ていたスズキさんが「まさかとは思いますが、ガソリンはありますよね」というのでトリップメーターを見たら、前回ガソリンを入れてから349キロも走っていた。これはいつ何時リザーブ・タンクになってもおかしくない距離。もしやと思ってガソリン・コックをリザーブにしたら一発で始動。うおお、ものすごい初歩的ミス。かわいいなあ、俺。
 今度こそ本当の出発、みんなに見送られてカサ吉田を後にする。コスメル島は全長50キロちょっとだが、メキシコで最大の島。世界でも有数の透明度を誇る海と、岩場が多いことから、ダイビングのメッカとして知られる。普通はカンクンから65キロ離れたプラヤ・デル・カルメンの町から高速艇に乗って行くが、バイクの我々はその手前の町プエルト・モレーロスから時間のかかるフェリーに乗らなくてはならない。急いでフェリー乗場まで走ったが、時間には間に合ったものの、今日はガソリンなどの危険物を運搬する日で、一般車は載せられないという。そんなことなら、昨日電話で問い合わせた時に言えっての。仕方ない、明日の船に乗るしかないが、今日はどうしよう。カンクンに戻るのも芸がないので、少し先のプラヤ・デル・カルメンまで行ってそこに泊まることにした。
 プラヤ・デル・カルメンはコスメル行きの高速艇が発着するだけでなく、静かなリゾートそしても知られるところ。「地球の歩き方」に載っていた安宿が駐車場つきだったのでチェックインし、さっそくビーチへ。しかし何の変哲も無いビーチな上、日はもう傾きはじめ、風が涼しかった。水浴び程度に海に入り、宿に戻る。夜は町の土産物屋を冷やかしたが、カンクンより落ち着いていて良い町だ。物価もまあまあ安い。これでビーチが良ければ沈没候補地なのに。

本日の走行距離    79.7キロ(計19275.1キロ、プラグ交換2回目)

出費            960N$ カサ吉田宿泊費(6日分)
               100N$ ガソリン代 
                55N$ 昼食(ピザ)
                73N$ 夕食(トルタス、スープ)
             16.70N$ カップ麺、水
               120N$ 宿代
計          1324.7N$

宿泊          Posada Lily 

「久美子の言わせて!」
 パレオとインターンネット屋を探している途中に真っ白くて大きな犬が店の前にちょこんと座っていたので、カズに「かわいいよー」と指差した。そのあと私は別のものに心が奪われ他を見ていたら、急に犬が「わん、わん、ばうー」といってカズに飛びかかってきた。といっても前足をカズの下半身にかけ、威嚇して、吠え続けた。びっくりしてカズをみた。どうしたの?と聞いたら「犬と目が合ったから、ひゃぁーと言ったら飛びついてきた」だって。私が犬でもそりゃ飛びつくわ。そんな得体の知れない奴だったら。しかも自分が勝てそうだし。犬の飼い主も「おいおい一体どうしたんだーい。何があったんだーい」とアメリカンドラマのように犬に聞いていた。可哀想な犬。カズは犬嫌いにならなきゃいいんだが…。犬にもなめられるカズであった。情けない…。