旅の日記

キューバ編(2000年1月24〜27日)

2000年1月24日(月) いざ社会主義の国へ(First visit to a Socialist Country)

 午前8時にアミーゴを出発、8人が2台のタクシーに分乗して空港に向かう。我々をキューバへと運ぶのはクバーナ航空、キューバ国営の航空会社だ。社会主義国家の国営航空はどんなものか興味深かったが、いたって普通の飛行機(A320)だった。白地に青と赤のキューバ国旗を基調とした機体に、明るい感じのスチュワーデスの制服(おばさんだったのが残念だが)。メキシコシティからキューバの首都ハバナまでは3時間ほどのフライトなので、映画や音楽などのサービスは無かったが、サンドイッチとフルーツの簡単な機内食が出た。乗客が少なく、一つ飛びに座ったので快適なフライトだった。
 キューバ時間で2時頃、ハバナ着。濃い酸素、南国風の湿気、空気がうまい。空港にはカストロやゲバラの看板があって、キューバ国旗がはためいているものかと思ったら、これまたいたって普通の、モダンな空港だった。キューバでは観光が重要な外貨獲得の手段となっているので、空港も思いっきり観光客向けの作りだ。。
 初日はそのままビーチ・リゾートであるバラデロまで移動する。一緒に移動する他の観光客をみんなで待っていると、一人のキューバ人のおじさんが流暢な日本語で話しかけてきた。自分は旅行会社に勤めており、何か困ったことがあったらいつでも連絡をくれ、と名刺をよこした。だいたいこういう輩にかかわるとロクなことがないので、「困ったことは無い」と最初は言ったが、KLR650に乗るバイク旅行者タケバ氏がキューバでパスポートの更新をしなくてはならないので日本大使館について訪ねると、「今困った事は無いといったじゃない」とするどいツッコミをしていた。結局そのおじさんはタケバ氏に日本大使館に電話するためのテレホンカードまで貸してくれるいい人だった。大使館の電話はなぜか通じなかったが。
 そんなこんなで30分ほど待つと、我々8人のほかに一緒にバラデロまで行くボリビア人のカップルと、メキシコ人の一人旅の女性が揃い、バスは出発した。ハバナ空港からバラデロまでは約150キロ、2時間半ほどの移動。幹線道路だけあって道は片側2車線、きれいに舗装されているが、すごいのは全くと言っていいほど標識がないこと。幹線道路同士が交わる大きなジャンクションでも、どっちへ行くと何の町だとか表示する看板がまるでない。たまに次の町までの距離を表す看板があるが、あとは社会主義をたたえる看板くらいしかない。はじめは物珍しさに外の風景を見ていたが、ヤシの木ばかりであまり景色が変わらないので途中から寝る。出発した時点から寝ていた久美子が賢かったということか。
 夕方、ようやくバラデロ着。しかし、しかしである。天気が悪い。空は鉛色、風は冷たく、海はかつての東映映画のオープニングのように荒れている。こんな寒さじゃ、とても海には入れない。今まで乾季のメキシコシティにいたから忘れていたが、湿気があるところって雨も降るのよね。誰だ、雨男(女)は。
 ホテルはバラデロでもまあまあのクラスだろうが、安宿が続いていた我々はとりあえず満足。裏はすぐ海だし、テレビも衛星放送でアメリカの番組が見られるし。夕食はホテルのレストランが高いので、近くの軽食屋で食べる。ここらの商店は完全に観光客向けなので、使用する通貨は全部ドル。面白いことに、ドルの紙幣はアメリカが発行した本物が流通しているが、ドル以下のセント硬貨はキューバ政府が勝手に作った「ニセ」のセントコインが使われている。コインにはセントとかペソとか単位が表示されていないが、おつりはこのコインで出てくるのだ。
 夕食後は部屋で軽く麻雀。ちゃんとアミーゴから牌とマットを持ってきたのだ。明日以降、天気は好転するだろうか。

本日の走行距離     0キロ(計16333.8キロ)

出費             24N$ タクシー代
                15$ 夕食(ハンバーガーなど)
計              24N$
             15$

宿泊           Horizontes Hotels Club Tropical

「久美子の言わせて!」
 Cuba到着!飛行機の離陸も着陸も覚えてない。そしてバスの中でもずーっと寝ていた。起きたら海が見えて「海だ海だー」と叫んだらみんなに「ずーっと前から見えてたよ」と言われた。でもイメージと違うなー。青い海、ぎらぎらとした太陽はどこ?明日は晴れるかな?



2000年1月25日(火) レンタカーでハバナへ(Visiting Havana by a rent-a-car)

 残念ながら、本日も天候が優れない。これでは海にも入れないし、タケバ氏がレンタカーを借りてハバナの日本大使館まで行ってパスポートを更新するというので、今日は一日同行することにした。タケバ氏は何回か大使館に電話をしたが、移転したのか通じない。残存期間のほとんど無いタケバ氏のパスポートではメキシコへ戻るのも大変なのと、メキシコで延長すると料金が高いので、どうしてもキューバ滞在中に更新をしたいらしい。いちかばちか、直接大使館まで行ってみようというのだ。
 近くのホテルで借りたのはスズキのエスクード。タケバ氏がオープンカーがご所望というので、キャンバストップのこの車を選択したのだ。キューバのレンタカーは完全に観光客向けなので相場が高いが、タケバ氏が半分もつというし、あとは同行する4人で割ればそんなに高くはない。午後2時半頃、ハバナへ向けていざ出発。
 昨日バスで揺られてきたのと同じ道を行く。オープンなので風が気持ち良いが、20分ほどすると寒くなってきた。途中料金所が1ヵ所あるが、ひどいのはキューバ国民の車と観光客の車の料金が違うことだ。キューバ国民は3キューバペソ、観光客は3ドル。公定のレートでは確かに1ペソ=1ドルだが、実勢は20ペソ=1ドルだ。観光客のレンタカーは一般の20倍の料金を取られている事になる。タケバ氏は果敢にもキューバ国民の車の列に並んだが、窓口で引き返すように言われてしまった。
 2時間ほどのドライブでハバナ着。昨日は空港から直接バラデロまで行ったので、ハバナの街中には行かなかった。今回が実質的に初ハバナになったわけだが、この街が私の中で結構ヒット。特に旧市街ではスペイン統治時代の古い建物が多く残っており、その他の普通のビルはみんなボロボロ。商店が非常に少く、あとの建物は何なのかよくわからない。とてもアヤしくて面白そうな街だ。
 日本大使館を探して走っていると、ものすごいバスとすれ違った。トレーラーヘッドが、普通のトレーラーなんかよりもずっと長い客車を引っ張っているのだ。このバスは「グアグア」と言われているそうで、350人が乗れるという。どおりでバス待ちの列が長いと思った。1回で乗れてしまうのね。
 そんなこんなで、タケバ氏が控えていた日本大使館の住所の近辺まで来た。ガソリンスタンドがあったので聞いてみると、やはり大使館は移転したという。どおりで電話が通じない訳だ。
 ガソリンスタンドのオヤジが教えてくれたとおりに進むと、閑静な住宅街に入った。数ブロックおきに警官の詰所もあり、ハバナでもかなり高級な所らしい。詰所の警官にも道を聞き、教えてもらったとおりに行くと、白い邸宅の門に「JAPON」という文字が。やっと到着だ。しかし、門は閉まっている。中で庭の掃除をしているおじさんに訪ねると、ここは大使公邸らしい。なんだ、家じゃん。それにしても在キューバ大使、いい家に住んでいるなあ。
 気をとりなおし、公邸で教えてもらった領事部の新住所を目指して走り出す。時刻は午後5時になんなんとしている。急がねば。しばらく進むと、大使館が並んでいるエリアに来た。大きな建物の前にそれぞれの国の国旗がぶら下がっている。問題の日本大使館領事部はモダンなビジネスビルの一角にあった。駐車場に車を停め、急いでエレベーターで上がる。ギリギリで間に合い、領事部はまだ開いていた。
 タケバ氏がパスポートの延長を申し込むと、もう閉まる直前なので出来あがるのは明日の夕方になるという。タケバ氏は明日も来なくてはならないが、ラッキーだったのは料金がペソで支払えたこと。何と来週からはドル払いでしか受け付けなくなるという。1週間違いで実質20倍の金額を支払わなければならないところだったのだ。
 帰りはすっかり夜。風を少しでも受けないように後部座席を倒し、平らにして後向きに体育座りする。これで大分暖かくなった。キューバの道路は街灯がほとんどないので暗いが、星がとても美しく見えた。
 バラデロへ戻ると、残った3人(久美子も残った)はすでに夕食に出て部屋にいなかった。仕方ないのでハバナ組で近くのレストランに行く。伊勢エビ(小さい)とご飯、ビザを食べた。観光客相手にしては安い値段だったが、ちゃんと生バンドがラテン音楽を演奏していた。そして夕食後はホテルに戻り、また軽く「打つ」のだった。

本日の走行距離     0キロ(計16333.8キロ)

出費            2.4$ 絵ハガキ3枚
               2.8$ アイスクリーム、ジュース
                 8$ 夕食
                15$ レンタカー代
計            28.2$

宿泊           Horizontes Hotels Club Tropical

「久美子の言わせて!」
 
荒らくれる海。ぎらぎら太陽が今日もいない。なんでじゃー。ホテルのプールや海には水着姿の人は1人か2人。あとはみんな何してるんだ?ハバナにも行く元気もなく、居残り組となりホテルで昼寝。明日は晴れるかなぁ。



2000年1月26日(水) ビーチでリーチ(Mah-jong at beach)

 今日はタケバ氏がハバナへ行く前に、車に6人むりやり乗って近くの観光客向けのマーケットへ行った。売られているのは民芸品や、キューバ特産のラム酒、葉巻など。アメリカで会ったエリックが葉巻を吸うので、キューバ産の葉巻を買って送ってあげたいが、最高級の「コイーバ」は一本13ドルもする。完全に観光客向けのバラデロよりはハバナで買ったほうが少しは安そうなので、今日は買うのをあきらめる。
 ホテルへ戻ると、なんと残った二人(最高齢、キューバ訪問団長エヅレ氏と、「チョコ」タカハシ氏)がビーチで麻雀の仕度をしていた。おお、夢にまで見た「ビーチでリーチ」が実現。タケバ氏はハバナへ行かなければならないが、代わりに久美子が入っていざ対局。天気は少しはよくなったが、それでも風は寒い。
 しかし、さすがに注目を浴びるようで、色んな人が覗きに来た。バスで一緒に来たボリビア人のカップルが我々の横に座り、しばらく見ていた後、彼氏の方が「やらせてくれ」と言い出した。仕方ないのでサカムルパ在住・ジャマ氏が教えながら2、3局ほどやらせてあげたが、乳首にピアスを開けた一見遊び人風のこの兄ちゃん、覚えが早い。数字が漢字で書いてある萬子もすぐに並べられるようになったし、最後はリーチ・ツモ・ドラ1をあがっていた。英語もペラペラだし、この男ただ者ではない。きっとボリビアの大金持ちの息子か、政府高官の息子かなんかだろう。
 麻雀が終わる頃、例の偏頭痛がやってきた。部屋へ戻って横になったが、空気が濃いおかげかそんなに痛くならない。1時間ほどで完全に痛みは取れた。
 夜、タケバ氏が帰ってきたので、全員で昨日の店に行く。しかし、料理の種類も質も、サービスの良かったウェイターも昨日と違っていて残念だった。明日こそは大枚はたいてシュノーケリングツアーに申し込んだので、暑くなればいいが。

本日の走行距離     0キロ(計16333.8キロ)

出費             13$ 夕食
                 4$ ビール
                90$ ツアー申し込み代
計             107$

宿泊           Horizontes Hotels Club Tropical

「久美子の言わせて!」
 
ビーチでリーチ!すこし太陽がこんにちはしたので、海へいく。が、風が強くて寒いよー。メキシコより寒い。何処がキューバじゃあ。だまされた。ビーチでリーチが出来たのでちょっと満足だけど。いったい何やってんだかなぁ。リゾートに来たんだからのんびりしますか。でっかいエビとアイスクリームたべたいな。



2000年1月27日(木) スクーターで激走、葉巻の闇取引(Trading cidars illegaly)

 今日も曇りで風が強い。こんな日にシュノーケルツアーはつらいと思ったが、波が高くて潜れないのでツアーは明日に延期となった。不幸中の幸い。
 そこで、本日はバイクに乗ることにした。ライダーのはしくれとしては、キューバでもバイクに乗っておきたいのだ。バラデロにはスクーターレンタルが多いが、さすがに大型バイクのレンタルは見当たらない。MZやJAWA、ウラルなど東欧系のバイクが多く走っているのに。一度ホテルのおばさんに、ホテルの前に止っていたMZを指差し「あれをレンタルするところはないか」と聞いたところ、「あんなに良いバイクを貸すところはない。旅行者は大人しくスクーターに乗っていなさい」みたいなことを言われた。ふーんだ、俺だってメキシコ帰れば天下のDR800Sが待っているんじゃ。
 仕方なく、ホテルの前のレンタカー屋でスズキのAZという50CCのスクーターを借りた。スクーターはあまり詳しくないのだが、日本で言う「アドレス」だろうか。数時間借りるのと24時間借りる料金があまり変わらなかったので、24時間借りることにした。キューバではヘルメット着用の義務も無く、もちろん持ってきてもいないので、ノーヘルで走り出す。とりあえず目指したのはバラデロの先っちょ。バラデロは全長30キロほどの細長い半島になっており、ホテルから先端までは約20キロのちょっとしたツーリング。空は雲っていて風が冷たいのが難だが、とても気持ちが良い。バラデロの道は状態も良く、道端にはヤシの木、その向こうは海と景色もいい。
 このスクーターという乗り物だが、実は最近になって初めて本格的に乗った。この旅に出る直前、勤めていた会社の同僚たちと沖縄に行ったが、その時にスクーターをレンタルしてツーリングに出た。高校生の時に乗っていた原付もギア付きのスズキRG50γだったので、スクーターで遠出したのはその時が初めてだったのだ。そしてその身軽さ、楽しさに大いに感動し、「スクーターの旅でも良かったな」と思うほどだった。今度日本に帰ったらスクーターを買おう。90CCくらいのやつがいいな。
 そう考えているうちに、道が切れるところまで来た。その先は工事中で進めない。仕方なく近くのビーチに出る。スクーターは軽いので砂浜でも楽しめた。波打ち際にスクーターを停めて海を眺めるが、先端は思ったより何も無かったので久美子の待つホテルへ帰る。
 ホテルに帰ると、今日はプールサイドに麻雀卓がセットされていた。ここは建物に囲まれているので風も少なく、太陽も出てきたのでいい気分で麻雀が楽しめた。海以上にリゾートしている気分で、大変贅沢。しかし、ここでも注目度は高かった。ホテルの宿泊者は白人のお年寄りが多かったが、その中で怪しい雰囲気の若いアジア人がサングラスをかけて変なギャンブルをしている。きっと中国系マフィアの親戚のように見えただろう。
 麻雀の後は、今度はスクーターに久美子と二人乗りして「アメリカ・プラザ」へ行く。ここは観光客向けのショッピングセンターで、土産物やスーパーがあるが、総じて価格が高い。センターの中をウロウロしていると、なんとコンピューターの置いてある電話屋を見つけた。電話の普及率が低いキューバでは街中に公衆電話が集まった国営の電話屋があるが、パソコンが置いてあるのは初めてだ。しかも、看板にはインターネットとある。おお、これはすごいぞ、と思って中に入ると、接続が出来ていないので使えないという。どおりで電源が入っていない訳だ。惜しかったなあ。余談だが、電話の普及率が低い原因に、以前米国のCIA工作員が電話線に放火し、その時の被害がまだ復旧していない、というのがあるそうだ。CIA、何でもやるなあ。
 さて、本日の夕食はキューバ人のお宅におじゃますることとなった。昨日砂浜で麻雀していたときに一人のキューバ人女性が話しかけてきて、自宅でロブスター料理を用意するので一人10ドルでどうだ、ということになったのだ。社会主義国家のキューバでは生活必需品などは配給されるが、実際は必要な量の7割くらいしか配給されず、その他の欲しい物はお金を出して買わなくてはならない。以前より規制は緩くなったそうだが、それでも一般の人が商店を営業するのはまだ難しい。そこで、モグリの商売をやってドルを稼ごうとする人が多いのだ。どんな料理が出てくるのかは知らないが、キューバ人の家におじゃまできるというのが興味深い。みんなで挑戦しようということになったのだ。
 昼間のうちに予約を入れ(電話などは無いので家まで行って)、約束の時間にホテルの近くにある家に行く。窓は中が見えないように板で覆われており、ホントに「イケないことをしている」という雰囲気が楽しい。声を潜めて中に入り階段で2階に上がると、テレビと8人が座れる食卓が置いてある簡素なリビング/ダイニングに出た。席につき、ビールは無いというので自分たちで持ちこんだビールを飲んでいると、まずはトマトのサラダが出てきた。このトマトにかかっているドレッシングがレモンを使用した味で、大変おいしい。これはロブスターに期待が集まる。
 そしてメインのロブスターが人数分登場。カラつきで中型のロブスターがまるごと一匹。ニンニクで味つけされていて、大変おいしい。みんなで写真を撮りまくりながら食べる。また、付け合せの白いご飯がおいしい。レストランでもそうだったが、キューバはメキシコなんかよりもずっとお米がおいしい。これは来て良かった。何でもその女性のご主人が漁師で、毎日4、50匹のロブスターを水揚げしているらしい。ホントにそんなに獲れるのか?
 さて、夕食を食べ終わったころ、そのご主人が「葉巻はどうだ」と話しかけてきた。来た来た、来ました。キューバは葉巻でも有名だが、正規の値段で買うと大変高い。そこで、葉巻工場で働くキューバ人がくすねて観光客に横流しするというケースが大変多い。ハバナなんかを歩いていると極端な話、10分に一回くらい「葉巻はどうだい?」と話しかけられる。最高級の葉巻を安く、というのが彼らのうたい文句だが、本当にいい品質なのかも怪しいので今まではパスしてきた。しかし、今回は彼らの家での取り引きだし、彼らの名前も住所も分かっている。料理の内容といい味といい、彼らは信用に値すると判断、一緒のアミーゴのみんなも煙草吸いが多いので、とりあえず見せてもらうことにした。
 主人は奥からボストンバッグを大切そうに持ってきて、中から色んな種類の葉巻を取り出した。主人は本物であることを証明するために一本1ドルだというバラ売りの葉巻を一本試させてくれ、みんなで回し吸いをする。知らなかったが、葉巻の煙は肺に入れないそうな。これはあまり高級なものではないそうだが、うまいのかまずいのかはよく分からなかった。
 主人は次に、綺麗な絵箱に25本入った「パラタガス」という葉巻を見せてくれた。一本一本がアルミのケースに包装されていて、これは「コイーバ」と同じくらい高級だという。ただし、バラ売りは不可、買うなら箱ごとだという。しかし、ちょうどその話をしていた時、最高齢エヅレ団長がケースから一本取り出して火を付けていた。「ノー!」という主人の絶叫も空しく、すでにエヅレ団長の口からは煙がモクモクと出ていた。「え?試しちゃダメなの?」とエヅレ団長。主人は仕方ない、ドントマインドだというが、かわいそうなのみんなで買ってあげたい。でも高そうだな〜。一応金額を聞くと、何と一箱40ドルだという。おお、市価の8分の1くらい。なんだ安いじゃん、これならみんなで買おう、ということになった。次に「コイーバは無いのか」と訪ねると、コイーバも一箱40ドルだという。うおお!勢いに乗った我々はこっちも購入を決定。そのほかに私は自分で吸う用にバラ売りの葉巻を数本買った。れっきとした闇取引、楽しいなあ。でも、アメリカに送るのに何本までは非課税だとかやはりあるのだろうか。ちょっと心配だ。
 それにしても、今夜だけでこの家に入ったお金は8人分の料理と葉巻で160ドル。キューバ人の平均収入が月10ドルほどだというので、すごい金額だ。嬉しいだろうなあ。

本日の走行距離     0キロ(スクーターで約70キロ)

出費             26$ スクーターレンタル代
                 7$ 昼食
               2.4$ ジュース、アイス
                20$ 夕食
                 4$ バラ売り葉巻4本
計            59.4$

宿泊           Horizontes Hotels Club Tropical

「久美子の言わせて!」
 
シュノーケリングツアー延期。カズはレンタルバイク。私はホテルで昼寝。プールサイドで水着姿披露!「ぬげ!ぬげ!」とヤクザカメラマンこわいよー。そういわれると恥ずかしくて脱げないでしょ!写真をばしばし撮られたが、あまりにも寒いのですぐに終了。暑くないと脱げませんな。そしてバイクでタンデム走行。といっても昼に借りた原付で二人でお買物。帰りは運転されてもらいこの旅、初の逆タンデム。がしがしスピードを上げておもしろかった。カズはかなりびびっていた。夜はキューバ人のお宅に訪問。ぷりぷりのエビを丸ごと食べた。おいしかったなー。そこでヤミの葉巻をおみやげに買った。本物かな?あやしいな…。