旅の日記

エクアドル・キト編その11(2000年11月11〜15日)

2000年11月11日(土) オイル漏れは止まらず(Engine oil keeps on leaking)

 昨日の疲れがあったのであまり早起きは出来なかったのだが、目を覚ましていつもの「野口カフェ」で朝食を食べると、またカルロスの家に向かった。

 今日はオイル漏れの対策として液体ガスケットを使ってみることにした。本当はダメなガスケットをこの間日本で買ってきたやつと交換するのがベストなのだが、もったいないのと、作業が面倒くさいのだ。というわけで、カルロスの家に行く途中で買ったシリコンのガスケットをクランクケースの合わせ目に塗ってみる。
 意外にも、エンジンをかけてもオイルは漏れてこない。これはいいや、と思ってカルロスの家のまわりを一周して帰ってくると、ありゃ、やっぱり漏れてる・・・。これはやはりガスケットを換えなければだめだ。
 今夜はまたギュウちゃんの宿に遊びにいく約束があるので、ガスケットの交換は明日にして簡単はエアクリーナーエレメントの交換などを行い、カルロスの家を後にする。

 夜はインターネットカフェに寄ってからギュウちゃんの宿に行った。
  うどんとそばという、エクアドルにいる邦人にとっては極上のディナーを食べ、近くのバーへ飲みに行く。ギュウちゃんが見つけたというそのバーは白人街の真ん中の一軒家で、中も人の家のような感じで落ち付けるところだった。久々にウイスキーなんぞに手を出す。
 ギュウちゃんとマドカさんは来年1月にパタゴニアに行くらしい。私もちょうどその頃に行く予定なので、そこでの再会を約束して別れる。お二人とも、それまでお体に気をつけて・・・。


本日の走行距離       0.6キロ(計24079.6キロ

出費                  0.65$    朝食(野口カフェのホットサンド)
     0.24$ 市バス
     0.9$ 昼食(ハンバーガー)
     1.6$  インターネット
     2$  バーでウイスキー
     1$  タクシー
計        6.39US$(約680円)
宿泊         Hostal Sucre インターネット    Net Place


2000年11月12日(日) 3度目の正直(Fixing the bike)

 朝起きたら、体が鉛のように重い。若くないと疲れや筋肉痛はしばらくたって出るというが、まさに今朝のこの疲れはおとといの10時間ぶっつづけ整備のものだ。しかし、今日こそはオイル漏れを直さなければ。やはり野口カフェでサンドイッチを食べてから、カルロスの家へ。

 今日はもうまわりくどいことはせず、素直にガスケットを新品のきれいなやつに交換する。オイルを抜き、クランクケースを開け、ダメなガスケットをはがす。合わせ面をきれいにしてから、新しいガスケットを組み付ける。やはり新品は違う、これで大丈夫そうだ。
 しかしエンジンをかけると、漏れこそしないものの、ある箇所から微妙にオイルがにじむ。よく見ると、そこには小さな穴らしきものが・・・。なんだこりゃ。エンジン側の合わせ面が欠けているんじゃん。金属パテが手元に無かったのでとりあえず液体ガスケットで塞いだら、にじみは止まった。これでまた出てくるようだったらパテで埋めればいい。いずれにしても、問題の箇所がこうはっきりしていると対処がしやすい。

 こうして3日間に渡った整備は一応の終わりを見せた。これで牛次郎の売却金が入るまで、キトの残りの生活を楽しめる。
 とりあえずは疲れがたまっているので、中華屋で昼食を食べてから帰って昼寝する。夜は日記打ち。さて、明日は何をしようか・・・。


本日の走行距離        0キロ(計24079.6キロ

出費                  0.90$    朝食(野口カフェのホットサンド)
     0.24$ 市バス
     1.6$ 昼食(中華麺、ビール)
計        2.74US$(約290円)
宿泊         Hostal Sucre


2000年11月13日(月) エル・ハルディンで買物(Shopping at a mall)

 今日はインターネットカフェへ行ってホームページを更新し、その後は「エル・ハルディン」というショッピングセンターへ行ってCDケースなどの買物をした。ただ、それだけ。どうでも良い、平和な一日だった。


本日の走行距離        0キロ(計24079.6キロ

出費                  0.30$    トロリーバス
     5.11$ CDケース、セロテープ
     2$ 昼食(ケンタッキー)
     1.6$  インターネット
     1.1$  牛乳、スポンジ
計        10.11US$(約1070円)
宿泊         Hostal Sucre インターネット    Net Place


2000年11月14日(火) 新しい学生証をつくる(Making a fake student card)

 昨年の12月、メキシコシティで作った国際学生証の有効期限があとひと月と迫った。もうあれから11ヵ月もたつのか。早いなあ。
 キトでも国際学生証が簡単に作れるというので、今日はウメさんに教えてもらったカトリカ大学の正門に面した旅行代理店に行き、新しい学生証を作ってもらう。

 ここで、昨年の日記を読んでいない人のために補足。
 国際学生証はその名の通り、保持者の身分を学生と証明するカードだが、これを持っていると各種割引が効いたりと、海外、特にヨーロッパ方面ではトクをする。もちろん日本でもこのカードは作れるが、その際自分の学校が発行した、本来の学生証を提示しなければならない。ということは、本物の学生でなければ日本で作るのは難しいということだ。
 さて、これが海外だと話が変わる。日本語の学生証を見せても窓口の人間は読めないのだから、本物かどうかは判別できない。学生でない貧乏旅行者がよく使う手に、日本の免許証を見せて「これが俺の学生証だ」と偽って国際学生証を発行してもらう、というのがある。昨年、私がメキシコシティで使った手だ。強者では、お茶漬けについていたアンケート葉書に写真を貼りつけただけの「学生証」で発行してもらった、という例もある。
 ただし、このような手を使っても発行してくれる所と、そうでないところがある。学生証の発行が簡単な場所は旅行者の間で語り継がれるが、以前はメキシコシティもその一つだった。しかし、最近ではあまりにも多くのニセ学生が赴くので、事前に日本大使館で学生だと証明する書類を取得しないと発行ができなくなったらしい。

 エクアドルの首都キトも発行が楽として知られるが、今回は有効期限が1ヵ月残った国際学生証があったので、免許証を偽って提示することもなく簡単に新しいのを発行してくれた。ただし、持っていた写真はボーダーのシャツに坊主頭のもの。新しい学生証をウメさんに見せたら、「囚人の登録証みたいだね」と言われた・・・。

 学生証を作った後は、新市街の別のインターネットカフェへ行って日本語のホームページを閲覧する。最近のインターネットエキスプローラーには最初から日本語のフォントが入っているようで、自分のパソコンを繋げたり特殊なソフトを入れなくても、見るだけならできるのだ。
 そして洒落たカフェでリッチな昼食(といっても300円だが)を食べ、宿に帰った。こうして、ある「学生」の一日は終わったのだ。


本日の走行距離        0キロ(計24079.6キロ

出費                  0.15$    トロリーバス
     0.12$ 市バス
     9$ 学生証発行手数料
     0.30$  インターネット
     3$  昼食(カフェのランチ)
計        12.57US$(約1330円)
宿泊         Hostal Sucre インターネット    Papaya net


2000年11月15日(水) 催促する(Pressing for the money)

 牛次郎をメカニックに預けてから約束の1週間が過ぎた。はたして1200ドルを用意できたか半信半疑だが、メカニックの工場に行く。

 牛次郎は今ごろペイントし直されて、牛でなくなっているのではないかと予想していたが、工場に着くと、変わらないままの牛模様の車があった。出迎えたメカニックは、牛次郎の状態は思ったりよりも悪い、1200ドルでは売れない、と言い出した。そんなことは無い、とエンジンをかけてみると、メカニックが整備してくれたため、我々が旅していた時より断然に調子がいい。これで1200で売れないはずは無いと思うのだが、どうやら買うのはメカニックで無いらしく、その友人で、そして1000なら買うといっているらしいのだ。
 ある程度予測できた事態だった。1200ドル用意するといって、1000ぐらいしか用意できないのでは、とは思っていたのだ。200ドル差で納得せず、自力で車市に持っていくのも時間がかかるので、1000ドルでよしとする。早速、牛次郎を買うというメカニックの友人宅に行くが、本人は留守で、金が用意でき次第連絡させるからと、その妻が言った。とりあえず、その電話を待つことにする。早くしてもらわないと困るが・・・。

 午後はブラジル・ヴァリグ航空のオフィスを訪ねて新市街に行った。
 今年の夏、ブラジルから日本に一時帰国した際にブラジル・ヴァリグ航空を利用したのだが、その時のマイレージがまだ加算されていないのだ。サンパウロ〜成田往復だと約23000マイル、それだけで短距離の無料航空券がもらえるほどのマイル数だ。しかし、インターネット上では、いつまでたってもマナウスからサンパウロまで飛んだ1600マイルしかついていない。このクレームを言いに行こうとしたのだ。
 実は同じクレームを帰国中、日本のヴァリグ航空のオフィスに言ったことがある。しかし、その時の対応はひどいものだった。最初は日本人の女性が出たのだが、話をすすめるうち、日本語がたどたどしい上司に代わった。ブラジル人のその上司は、チケットなどのコピーを自分宛に送れ、というので後日そうしたが、ブラジルへ戻る日が迫っても何の連絡も無い。しびれを切らし、こちらから電話したが、当人は「何のことでしょう?いつ、そのようなコピーをお送りいただきましたか?」と、とぼけているんだか何なのか、まるで話にならない。「調べて折り返します」と彼は言ったが、その後、私が日本を発つまでに電話はかかってこなかった・・・。

  どうせヴァリグ航空のチケットをもらっても使う機会は無いし、とマイレージは半ばあきらめていたが、ヴァリグ航空はスター・アライアンスという航空会社グループの一員で、ヴァリグで稼いだマイルで他の航空会社、例えば全日空などのチケットももらえると、この間ギュウちゃんに教えてもらい、これはやはりマイルを獲得せねばと思い立ったのである。
 さらにギュウちゃんが教えてくれたところによると、南米の航空会社ではこの種のトラブルが非常に多いという。普通に待っていてはマイルが加算されないのは日常茶飯事で、みんなボーディングパスを取っておいて、それをオフィスに持っていって加算してもらうのだという。マイルを加算せず、それで客が文句を言ってこないなら儲けもの、という会社の姿勢が伺える。

 まあ、恨みつらみはこの辺にして、果して新市街のヴァリグ航空のオフィスへ行くと、スタッフの対応は決して悪くなかった。事情を説明すると、スタッフはすぐにコンピューターで私のマイル数を調べ、サンパウロ〜成田間のマイルが加算されていないのを確認した。ブラジルの管理センターへチケットとボーディングパスを送らなければならないというので、コピーを取って渡す。後は1ヵ月ほどで加算されるというが、果してどうなることやら・・・。それでも加算されなかったら、どうしましょう?読者の皆様のアドバイスを待つ!


本日の走行距離        0キロ(計24079.6キロ

出費                  0.30$    トロリーバス
     0.12$ 市バス
     2.19$ 昼食(チキン)
     1.49$  牛乳、菓子
計        4.1US$(約435円)
宿泊         Hostal Sucre