牛次郎をメカニックに預けてから約束の1週間が過ぎた。はたして1200ドルを用意できたか半信半疑だが、メカニックの工場に行く。
牛次郎は今ごろペイントし直されて、牛でなくなっているのではないかと予想していたが、工場に着くと、変わらないままの牛模様の車があった。出迎えたメカニックは、牛次郎の状態は思ったりよりも悪い、1200ドルでは売れない、と言い出した。そんなことは無い、とエンジンをかけてみると、メカニックが整備してくれたため、我々が旅していた時より断然に調子がいい。これで1200で売れないはずは無いと思うのだが、どうやら買うのはメカニックで無いらしく、その友人で、そして1000なら買うといっているらしいのだ。
ある程度予測できた事態だった。1200ドル用意するといって、1000ぐらいしか用意できないのでは、とは思っていたのだ。200ドル差で納得せず、自力で車市に持っていくのも時間がかかるので、1000ドルでよしとする。早速、牛次郎を買うというメカニックの友人宅に行くが、本人は留守で、金が用意でき次第連絡させるからと、その妻が言った。とりあえず、その電話を待つことにする。早くしてもらわないと困るが・・・。
午後はブラジル・ヴァリグ航空のオフィスを訪ねて新市街に行った。
今年の夏、ブラジルから日本に一時帰国した際にブラジル・ヴァリグ航空を利用したのだが、その時のマイレージがまだ加算されていないのだ。サンパウロ〜成田往復だと約23000マイル、それだけで短距離の無料航空券がもらえるほどのマイル数だ。しかし、インターネット上では、いつまでたってもマナウスからサンパウロまで飛んだ1600マイルしかついていない。このクレームを言いに行こうとしたのだ。
実は同じクレームを帰国中、日本のヴァリグ航空のオフィスに言ったことがある。しかし、その時の対応はひどいものだった。最初は日本人の女性が出たのだが、話をすすめるうち、日本語がたどたどしい上司に代わった。ブラジル人のその上司は、チケットなどのコピーを自分宛に送れ、というので後日そうしたが、ブラジルへ戻る日が迫っても何の連絡も無い。しびれを切らし、こちらから電話したが、当人は「何のことでしょう?いつ、そのようなコピーをお送りいただきましたか?」と、とぼけているんだか何なのか、まるで話にならない。「調べて折り返します」と彼は言ったが、その後、私が日本を発つまでに電話はかかってこなかった・・・。
どうせヴァリグ航空のチケットをもらっても使う機会は無いし、とマイレージは半ばあきらめていたが、ヴァリグ航空はスター・アライアンスという航空会社グループの一員で、ヴァリグで稼いだマイルで他の航空会社、例えば全日空などのチケットももらえると、この間ギュウちゃんに教えてもらい、これはやはりマイルを獲得せねばと思い立ったのである。
さらにギュウちゃんが教えてくれたところによると、南米の航空会社ではこの種のトラブルが非常に多いという。普通に待っていてはマイルが加算されないのは日常茶飯事で、みんなボーディングパスを取っておいて、それをオフィスに持っていって加算してもらうのだという。マイルを加算せず、それで客が文句を言ってこないなら儲けもの、という会社の姿勢が伺える。
まあ、恨みつらみはこの辺にして、果して新市街のヴァリグ航空のオフィスへ行くと、スタッフの対応は決して悪くなかった。事情を説明すると、スタッフはすぐにコンピューターで私のマイル数を調べ、サンパウロ〜成田間のマイルが加算されていないのを確認した。ブラジルの管理センターへチケットとボーディングパスを送らなければならないというので、コピーを取って渡す。後は1ヵ月ほどで加算されるというが、果してどうなることやら・・・。それでも加算されなかったら、どうしましょう?読者の皆様のアドバイスを待つ!
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