旅の日記

25時間フライト編(2000年7月17〜19日)

2000年7月17日(月) 南米最後の日(The Last Day in SA)

 本日は南米最後の日ナリ。(また9月に戻るけど)
 ホテルは11時チェックアウトなので、その前に先日のMITSUBOSHIパソコン教室へ行って最後のメール送受信、HPのアップロードを済ませる。ゆっくりやりたかったが、自分のIDを使ったダイヤルアップなのでローミング費用がかかる。必要最低限だけ繋げ、ホテルへ戻る。

 11時、ホテルの部屋を出る。荷物は三つ。80リットルのバックパックと旅行会社でもらった30リットルくらいのボストンバッグ、 そして貴重品、パソコンなどが入ったタンクバッグ。バックパックとボストンバッグの中身はほとんどお土産。Tシャツやパンツなどはボロボロだったので捨て、荷物を減らしたのだ。フライトは深夜、それまで荷物はホテルに置いていていいというが、置く場所は従業員の目の届かない階段下。タンクバッグだけはさすがに預ける気にならず、肩にかけてホテルを後にする。

 さあ、夜までどうして時間をつぶそうか。美術館でも行こうと思ったが、月曜は休みとのことであきらめる。地下鉄に乗ってどこか行こうかとも思ったが、タンクバッグにはパソコンやパスポート、航空券など、貴重品が全部入っている。ここまで来て何かあると嫌なので、日本人街で時間をつぶすことにした。
 まずは古本屋に入り、飛行機の中で読む用に文庫本を5冊買う。古本は3レアルなので助かった。他の本屋では新品の文庫本が16〜18レアルぐらいで売られていて、とても手が出なかったのだ。
 本屋の後は、駅前の広場に行く。少々肌寒いが太陽は出ていて、日向であれば気持ちが良い。他にすることも無いのでベンチに座り、家田荘子の文庫を読み出す。
 何時のまにか昼時になっていたので、居酒屋・甚八に行ってニラ玉定食を食べる。よく見たらこの店、日本のマンガ雑誌が置いてあり、食後も1時間ほど時間をつぶすことができた。もっと居たかったが、店にも迷惑なので出る。この時点でまだ午後3時ごろ。
 その後も意味もなく日本人街をさまよい、疲れては休憩を繰り返した。空港には夜8時に行けばいいのだが、もう居られないくらい日本人街は飽きたので、 午後5時過ぎ、空港に向けて出発する。

 地下鉄でレプブリカ広場へ行き、そこからリムジンバスに乗る。約50分で空港に到着。チェックインまでまだ時間があるので、本を読んだり、店を見たり、夕食のハンバーガーを食べたりして過ごす。
 午後8時過ぎ、そろそろチェックインできるかと思ってヴァリグ航空のカウンターの前まで来ると、チケットを購入したニッケイ旅行社の社員が立っていた。チケットを買っただけだったので、まさか社員の人が来ているとは思わなかったが、チェックインの手続きを代行してくれ、また特別にヴァリグ航空のファーストクラス乗客専用のラウンジに案内してくれた。その快適なラウンジで、9時半まで本を読んで過ごす。

 夜10時前になって手荷物検査を受け、ゲートに向かう。デューティフリーでもう少しお土産を買う必要があったが、品揃えがイマイチで、これなら外のロビーに並んでいた店で買った方が良かった。

 そして午後11時すぎ、ボーディングタイムとなったので、ヴァリグ航空836便、MD‐11機に乗りこむ。ちなみに、この時点ですでに5冊買った本のうち、2冊は読み終えていた・・・。


出費                   84R  宿代(4泊分)
            5R  インターネット
            17R  古本
            8R  昼食(にら玉)
            0.8R  ホットチョコレート
            12R  リムジンバス
            5.6R  夕食(ハンバーガー)
計        132.4R
宿泊         飛行機
インターネット    MITSUBOSHIパソコン教室


2000年7月18〜19日(火〜水) 25時間のフライト(The 25hours flight)

 さあ、いよいよ25時間のフライトのはじまりだ。ここからは、乗りこんでからの経過時間に沿って説明しよう。

0時間00分(サンパウロ時間17日午後11時15分)
MD‐11機に乗りこむ。機内は予想以上に混んでいた。チェックインする際に通路側の席をお願いしたが、トイレの前の席しか残っていなかった。しかし、これが幸いした。トイレの前は2人がけになっているのだが、窓際の席は空席で、1人で2人分の席を占領することができたのだ。真ん中の肘掛を上げると、少々せまいが横にも寝られる。これは機内広しと言えど、たぶん私だけの特権だ。 ラッキー!

0時間40分
離陸。サンパウロの夜景は綺麗だった。

1時間0分
軽い機内食。ベークドポテト、まあまあおいしい。水割りをお願いしたら、大変濃かった。

1時間45分
順調に眠くなってきたので、寝る。快適。

4時間15分
のどの渇きで目が覚める。しかし、目の前のトイレの入り口に吸水機がついているので、手を伸ばせばすぐに水が飲める。これもこの席の特権。水を飲んだ後、再び寝る。

9時間15分
目が覚めてビックリ。あれから5時間もぐっすり寝てしまった。何度か姿勢を変えるときに目を覚ましたが、いたって快適だった。トイレも間の前なので、空いた時にすぐに行ける。起きた後はしばらく本を読む。

11時間30分
機内食。ハム&バーコンの朝食。

11時間57分
ブラジル人の乗客に「闘魂」と入ったハチマキを見せられ、読み方、意味を聞かれる。猪木ファンか?

12時間23分
ロス着。前半のフライトは思ったより疲れなかった。給油の間、空港の専用ロビーで待つ。「インターネットスタンド」なるものがあるので見に行くと、ATMみたいな機械で、壁にモニターが埋まっていて下にキーボードがある。クレジットカードを通す所があり、支払いはカードからの引き落としになるが、料金は10分2.5ドル。話のタネにちょっとやろうかと思っていたのだが、失神しそうなほど高いので諦める。

14時間5分
給油休憩終了、再び乗りこむ。ロスで下りた乗客がいるかわりに、新たに乗ってくる客もいる。隣の席が埋まらなければいいが。

14時間25分
恐れていた事態になった。隣の空いている席に、スチュワーデスが前の方から運んできた鞄を置いた。「隣に誰か来るのか」と聞くと、そうだという。ああ、がっくり。しばらくすると、足のちょっと不自由な日本人のおばあさんがスチュワーデスに案内されて、こっちの方にやってきた。この人が隣に座るのか、と思った瞬間、スチュワーデスは「こちらの席も空いておりますが、どちらがよろしいですか?」と、私の右斜め前の席を指して、おばあさんに聞いた。おばあさんは「どちらでもいいんですが・・・」と言って、こちらを見る。目が合う。「こっちにこないで光線」を送る。しかし、決して睨んではいない。本当。しばらくすると、おばあさんは「こっちがいいです」と、斜め前の席に座った。助かった。これであと12時間、また2人分の席を占領できる。「こっちに来ないで光線」が無事届いたのかと思いきや、おばあさんの方を見ると、彼女の隣も空いていた。そりゃ、そっちを選ぶわな。良かった良かった。

14時間55分
離陸。その後は寝る。

16時間5分
機内食。ラビオリが出た。けっこうおいしい。前後して、モニターでは「America's Funniest Video」が始まった。「さんまのからくりTV」みたいな、視聴者から寄せられたハプニング映像を見せる番組だ。面白い。これでしばらく時間がつぶれた。

18時間5分
トイレで歯を磨いて、ふたたび寝に入る。

20時間5分
後ろの席も2人がけだが、ブラジル人のカップルが座っている。他にも仲間がいるらしく、よく他のブラジルが前からやって来て、談笑していた。その声がうるさい。みんな寝ているというのに。振りかえると目が合ったので、そのままそらすものなんなので、注意する。「すみません」と彼らは日本語で返事したが、その後もいっこうにおしゃべりは止まらなかった。だめだこりゃ。その後、映画「The Staright Story」が始まる。デビットリンチ監督のロードムービー。老人が芝刈り機に乗って旅に出るというもの。

20時間37分
カップラーメンみたいな匂いがしてくると思ったら、本当にカップラーメンが出てきた。スナックとしてらしい。小腹が空いていたので、とてもうれしい。

22時間45分
映画も終わって、いよいよヒマになる。本を読む気もしない。ボーッとして過ごす。

23時間58分
また機内食が出た。オムレツ。「America's Funniest Video」がまた始まった。うれしい。

24時間20分
陸地が見えた!房総半島だ!

24時間31分
成田に着陸。わあ、日本人が働いているぞ。(あたりまえ)

24時間50分(日本時間19日午後12時5分)
飛行機を後にする。思ったより疲れなかった。

  税関では予想どおり、大変怪しまれて別室へ。お土産の小さい包み一つ一つを開けられてチェックされる。30分ほどかかって、無事解放。
 「ぱそ」編集のサカタさんが向かえに来てくれたので、一緒に車で東京方面へ。はじめのうちは見るもの全て「日本」だったのでニヤついてしまうほど嬉しかったが、すぐに慣れた。旅していると長く感じているけど、結局わずか10ヵ月だから・・・。それにしても暑い。この夜の蒸し暑さは、ブラジルのアマゾンをはるかに凌ぐ。
 天王洲で天ぷらをゴチソーになり、帰宅。青山家の目の前の空き地にファミレスが建ったこと以外、大した変化はなかった。部屋は去年出たまんまの状態。まるでこの10ヵ月がウソのようだ。
 さあ、9月頭の再出発まで約1ヵ月半。忙しい日々になりそうだ。