朝は車内の猛烈な暑さで目が覚めた。まるでサウナだ。みんな暑さと眠さを天秤にかけていたが、とうとう我慢しきれずに起きだし、車外へ脱出した。直射日光のあたる外の方が、まだ涼しいのだ。 一番早く起き、銀行を探しにいった猪飼さんがツアー会社のスタッフだというブラジル人と帰ってきた。奥さんが日本人だといい、たどたどしい日本語を話す。普通、こういう輩は信用してはいけないが、彼がいいホテルを教えてくれるというので猪飼さんが見に行くと、連れこみでは無い普通の安宿で、駐車場もあったそうだ。それはいいと、みんなでそのホテルへ移動することにする。 しかし、今朝もエンジンがかからない。カバーを開けてエンジンを見ると、キャブレターを固定するネジが抜けて、フラフラだ。元の位置に手で固定してエンジンをかけると、一発で始動。これが原因だ。とりあえずそのまま、ホテルまで走る。 ホテルの名前はPensao Sulista、4人部屋を40レアルから30レアルに割り引いてくれた。部屋の天井が高く、雰囲気もいい。駐車場完備、スタッフも親切で、しかも朝食付き。願ってもない宿だ。 チェックインしたあと、ウメさんがキャブレターをネジで固定しなおした。これで問題ないだろう。 その後、私は一人で航空会社のオフィスを回った。ここから日本へ一時帰国するための航空券を買うためだ。私はNY〜ロンドン間の正規料金のチケット(払い戻しが可能)と、ロンドン〜マレーシア〜日本の格安チケットを持っている。ここマナウスには一応国際空港があり、マイアミなどへ路線があるという。まずはマイアミ経由、ロンドン行きのチケットの値段を調べるが、1440ドル・・・。高すぎる。マイアミまででも521ドルするというのだ。格安航空券が出まわっているエクアドルのキトまででも450ドルだというし、カラカスに至っては直行便はなくなったという。マナウスは航空券を買う場所ではないとは聞いていたが、これほど高いとは。 そこで、サンパウロまでの国内線の価格を聞いてみた。すると、452レアル(約250ドル)だという。これは、サンパウロまで飛び、そこで日本への往復のチケットを買った方がいいと判断した。どうせ日本での用事が済めば南米へ戻ってくるのだし、一説によると、サンパウロから日本までの往復で700ドル近辺のチケットがあるという。無理してロンドン〜マレーシア〜日本のチケットを使おうとしても、かえって高くつくのだ。今、久美子はNYにいて、近々ロンドンへ飛ぶというが、再会は日本でになる。仕方がない。 今日は土曜日、正午でどこのオフィスも閉まるというので、とりあえず予約などは月曜日に持ち越す。サンパウロに飛ぶまでの間、アマゾン体験を満喫しよう。 その後はパソコンを持って、インターネットカフェを探しながらマナウスの街をさまよう。 マナウスは広大なジャングルの真っ只中にポツンとある都市だが、人口は100万を越える。街は19世紀、天然ゴムで得た富によって繁栄した。一時は世界のゴムの8割を産出し、ヨーロッパなどから一攫千金を夢みた人々が押し寄せたという。今ではかつてのような繁栄はないが、それでもジャングルの中で生きる人々のたくましさで、活気あふれる街となっている。 我々はまず、宿からネグロ川の方面へ歩いた。ネグロ川は大アマゾンの主な支流で、名前のとおり、黒くて豊富な水量を誇る。川沿いに市場があったのでのぞいてみると、すごい活気だ。特に目を見張るのが魚の売り場。アマゾンから水揚げされた巨大な淡水魚が並び、中にはピラニアまでが売っていた。釣りが楽しみでたまらないウメさんは、期待に胸を膨らましていた。彼がアマゾンまではるばる来たのは、釣りをするためと言っても過言ではない。 市場の反対側には船着場があった。ここからベレン行きなど、アマゾンを下る船が出るのだ。停泊しているのはどれも小型の客船で、これで5日もかけてベレンまで下るのは面白そうだなあ。時間があればアマゾン下りに参加できたのに。 船のチケット売り場へ行き、車を載せられる船があるかどうか聞く。すると、ある会社のオフィスを紹介されたが、残念ながら閉まっていた。月曜日まで待つしかないか。 船着場の裏にある商店街を歩いていると、マナウスに2軒あるというインターネットカフェのうちの1軒を見つける。LAN接続をお願いすると、すぐOKしてくれた。設定すると、一発で繋がった。実にエクアドル以来のLAN接続である。久しぶりにメールの送受信を行う。 夕方からは日記を打つ。例の事故に遭遇したことを延々と書いているうちに、あっという間に夜は更けた。宿の駐車場で自炊し、夕食を食べる。明日は日曜日、商店もほとんど閉まるだろうから、釣りでもしようか。 |
出費 1R ジュース |
今日は日曜日、旅行代理店もインターネットカフェもみんな休みだ。午前中はパソコンに向かい、午後から牛次郎で釣りにでかけた。 |
出費 5R 昼食(ピザ) |
今日は朝から旅行代理店に行き、サンパウロ行きの国内線のチケットを買った。 |
出費 566.15R 航空券(カード) |
今日はのんびりとした1日になった。 朝、みんなは昨日のガイドのところに行き、船会社を紹介してもらった。ベレンまではまる4日アマゾンを下る長い船旅だが、牛次郎+3人で500レアル(300ドル弱)らしい。ブラジル国内はバスも国内便も高いので、それを考えるとかなり安い。あと2、3日のうちには出られるそうだ。それにしても、悠久のアマゾンに抱かれて何日も船で旅するのは楽しそうだなあ。ここマナウスまで飛ばしてきたが、あと1週間早かったら一緒にベレンまで下るのに・・・。 その後はインターネットをやり、午後は市場をブラブラしたりとゆっくり過ごした。ウメさんが船着場でナマズを釣りというのでついて行ったが、今日は釣れなかった。帰りにはまた生ビールを飲んだ。夕食は向かいのレストランで世界最大の淡水魚といわれるピラルクーを食べる。白身の魚で、フライにするとウマイ。 かなり酔っ払ったので、今日はもう酔う日と決め、宿に帰ってからもみんなで飲んだくれる。この愉快な仲間たちとも、あと2日でしばしのお別れとなる。 |
出費 3R 昼食(ビッフェ) |
別れはいつも突然にやってくる。 |
出費 3.5R 昼食(定食) |
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