旅の日記

メキシコ・メキシコシティ編その3(2000年1月1〜9日)

2000年1月1日(土) フィーリングカップル6対6(New Years at AMIGO)

 今日も起きると、すでに中庭でアミーゴの新年会は始まっていた。。プロレスラー志望のJ君が元寿司職人なので、彼の作った巻き寿司とお雑煮をみんなで食べ、またも昼からビールで盛りあがる。
 昼食後はゆっくりした。熱は下がったが、何しろ鼻水がひどくトイレットペーパーが手放せない。夜になると、アミーゴは手巻き寿司で再び盛りあがり始めた。そして中庭では「フィーリングカップル5対5」が始まり、久美子も参加した。卓球台を挟み5対5ならぬ6対6の男女が座り、自己紹介をした後にまず第一印象を紙に書いて提出する。あのKさんも参加したが、若干本気なのがみんなの笑いを誘った。そして双方からの質問タイムを挟み、最後に理想の異性の番号を紙に書く。6対6のうち3組カップルが生まれたが、そのうちの一組は久美子とJ君だった。ゲームの後は3組のカップルを祝福してHさんがまた火を吹いた。
 こうしてアミーゴの新年会は終了した。年末年始のアミーゴは新年をメキシコシティで迎えようとする客でほぼ満室状態だったが、明日以降出て行く人が多い。リーさんも4日には出て行くというし、寂しくなるなあ。それにしてもカメラが来ない。明日は日曜日だし、早くても3日になるだろう。ゴリラのマサとはグアテマラシティで1月4日から7日の間に再会することを約束したが、どう考えても無理だ。マサよ、許せ。中米のどこかで会いましょう。

本日の走行距離       0キロ(計16290キロ)

出費            34.5N$ ジュース、スナック
計             34.5N$

宿泊           ペンションアミーゴ



2000年1月2〜5日(日〜水) ひたすらカメラを待つ(Waiting for the camera)

  いきなり4日まとめての日記である。ここアミーゴにいると、火吹き芸人のHさんが「まばたき一つで1週間」というように、あっという間に時が過ぎる。昼過ぎに起き、昼食を食べてボーっとし、まんが部屋で「シャコタン・ブギ」や「将太の寿司」を読んだ後に夕食を食べ、食堂の飲み会へと突入し、そのまま朝方まで盛りあがる。ここに月単位で沈没している人が多いのがよく分かる。日本ではまずこんなに怠惰で楽しい日々は送れまい。ここに長いこといると、後で自分のペースを取り戻すのに苦労しそうだが、何しろ待っているデジカメが来ない。仕方なく、というよりそれをいい訳に、アミーゴでの宿泊3週間目に突入。
 簡単に毎日の行動を記すと、2日は風邪がひどく1日中寝ていた。3日は「ぱそ」の連載4回目の原稿を執筆した。4日は近くのバール(バー)へ珍しく飲みに行った。そして5日夜、みんなで寄せ鍋を作って食べていると、待望のデジカメ到着!!
 厳重な梱包を開けてカメラ(Sanyo DSC−X200)を取り出すと、なんと手の中にスッポリと入る大きさ。ウレシ〜。今までのデジカメ、オリンパスC−2000Zも200万画素クラスの高級機で良かったが、何しろ大きいのと、撮る度にレンズがウィーンと伸びるのを待たなければならないのが億劫だった。200万画素なんかで撮影したらあっという間にメモリーが無くなってしまうし、結局は35万画素で撮影していたのだから、新しいDSC−X200の85万画素で十分。しかも動画まで撮れるというのだから、いうことなし。サンヨーさん、スマートメディアの予備(しかも16MBを2枚)と海外用のアダプターまで付けていただき、誠にありがとうございます。これで中南米の写真、撮りまくりまっせ〜。ちなみにこのカメラで撮った初めての写真は下のとおり。アミーゴの食堂の団らんの様子である。
 で、古いデジカメはどうしたかというと、去年からずっと欲しがっていたリーさんに2200ペソで売却。日本に送り返すだけで100ドルくらいはかかってしまうだろうし、友情の証で大バーゲン。夜はリーさんに使い方を教えていたが(何しろマニュアルが無いので)、頭のいいリーさんは私も知らなかった機能を次々と発見、早くも自分のものにしていた。
 これでアミーゴにいる必要はなくなった。明日仕度して明後日にでも出発、と考えていると、何しろメキシコシティは大都会なので週末にした方がスムーズに市外に抜けられるとアミーゴの人々はいう。「麻雀しましょうよ」といTさんの悪魔の誘いもあり、とりあえず出発は今週末に設定。残り少ないアミーゴの日々を有意義に、かつ怠惰に過ごさなければ。

4日間の走行距離       0キロ(計16290キロ)

出費           42.33N$ スーパー
                 24N$ ビール
                 15N$ 洗濯代
                  4N$ バス
                 60N$ 昼飯
                 15N$ アミーゴでネット接続
                125N$ バール
                 50N$ 昼飯
                 72N$ 鍋の材料
計           407.33N$

宿泊           ペンションアミーゴ



2000年1月6日(木) 今年初めて打つ(This year's first mah-jongg)

 今日は今年初めて麻雀を打った。アミーゴルールは食い断、後付け、馬無し、25000点の30000返し、そしてオリジナル役満「中南北」がある。これは「中南米」にひっかけたもので、中と南と北を3枚ずつ揃える、大三元のような役である。3半チャンやって一回目、二回目は3番目だったが、三回目はトップでトータルではプラスになった。
 麻雀後の夕食は久々にハンバーガーが食べたくなったので、近くのバーガーキングに食べにいった。焼きたてのハンバーガーは懐かしいアメリカの味だった。これから中米を下るが、どんなメシが食えるのやら。大都会にいるうちに美味いものを食べておこう。

本日の走行距離       0キロ(計16290キロ)

出費           58.88N$ 夕食(バーガーキング)
計            58.88N$

宿泊           ペンションアミーゴ



2000年1月7日(金) 夜の街へ繰り出す(Night Life in Mexico)

 今日はまず、小包を出しに専門の郵便局へ行った。メキシコの郵便事情はメキシコ人の気質を反映して本当にアバウト。1週間で日本に着く場合もあれば、1ヶ月かかる場合もあるという。そういえば、昨年の12月17日にグアナファトから送った絵葉書がようやく着いたというメールを最近もらった。アミーゴの前には郵便局があるが小包の料金は高く、しかもちゃんと着くかアヤシイので、小包専用の郵便局を教えてもらって出しに行く。
 そこはバスや地下鉄で行くのは難しいと言うので、初めてタクシーに乗る。メキシコのタクシー運転手は強盗と化す場合もあるので注意が必要だが、パタパタ音を立てて走るワーゲンのタクシーは楽しかった。ワーゲンは2ドアなので、後部座席にお客が乗り込みやすいように助手席は外してある。でも、大人数の客が乗る時には助手席のあった床にペタンと座ることもあるらしい。料金は20分ほど乗っても20ペソ(約220円)なので、気をつけさえすれば便利な交通手段だ。
 目的の場所に着くと、そこは郵便局というよりは集配場だった。教えてもらった窓口に行き、イスに座っているおばちゃんに中身を確認してもらう。送るのは写真や親戚にあげるお土産など。重さを量ってもらうと約1900グラムあり、航空便による料金は224.5ペソだという。アミーゴの人たちによれば、これは通常の郵便局より3割以上は安いという。しかも直接集配場から出すから確実で早いという。料金が確定したあとは別の窓口で切手を買い、小包に貼って係官に渡しておしまい。帰路もタクシーだった。
 午後はアミーゴのテレビ部屋でドラマ「人間・失格」の上映会が始まった。日本にいる間はドラマなど見る方ではなかったが、異国の地で見る日本のテレビは妙に楽しい。六話分くらいを一気に見てしまった。
 夜は以前から企画されていた「男のための夜のツアー」に参加する。参加者は私を含め6名。どういう店で、どういう内容だったかはここで紹介したいのだが、風紀上問題があると思われるので控えさせていただく。非常に楽しく、日本じゃ考えられないような過激な内容だったとだけお伝えしておきましょう。あ〜でも書きてえ〜。希望者にはメールでお教えします。ちなみに6名のうち、Kさんだけ帰るのがみんなより2時間ほど遅かった。何故かって?それは彼が「シンディ姉さん」をテイク・アウトしたからである。

本日の走行距離       0キロ(計16290キロ)

出費              40N$ タクシー代
              224.5N$ 小包郵便代
                 51N$ 昼食(定食)
                320N$ 夜のツアー参加費
計            635.5N$

宿泊           ペンションアミーゴ

「久美子の言わせて!」
今日の夜はカズと別行動。カズは男の夜のツアーへ出掛けた。結果は後で聞く約束をした。一体どんな事になっているんだろう。うーん楽しみだ。私は近くのバーへ飲みに行った。帰ってきて、アミーゴのリビングで話をしていたら、御一行が帰ってきた。あれ?一人いない。コニー(Kさん)がいないではないか。どうやらコニーは女の人といいとこへいったらしい。部屋がいっきに香水臭くなった。なにをしてきたんだ一体。そばをみんなで食べたら、みんな疲れたらしくほとんどの人が部屋へ寝に行った。6:40amにドアが開いてこつこつとコニーが履いているブーツの音がした。帰ってきた彼の顔を見たら、口紅の跡がたくさんついていた。「どうしたの?」と誰かが聞くと「いやー、ははは」とうれしそうに笑っていた。相当満足だったらしく、話している間ずっと思い出しては笑っていた。「エロオヤジだー」とよねこ先生(これからベネズエラ、ブラジルへ旅行する女の人)と二人で笑った。それから「お腹減ったー。アイスが食べたーい。コニー買ってきて−」とコニーコールが起こった。コニーもさっきの出来事がうれしかったので、「じゃあ買ってくるよ」と言って本当に買いに行ってしまった。いい人だー。帰ってきてもコニー話は続いたが、飽きてきたので、コニーをほおって寝た。お金で人を買ってはいけません。




2000年1月8日(土) 人間・失格(Watching Japanese TV)

 昨日(というより今朝だが)寝たのが遅かったので、午後2時ごろまで寝てしまった。若干の二日酔いもあり、今日はゆっくりすることとする。午後は麻雀をやり、ドラマ「人間・失格」の続きを見た。
 本来ならば明日ここを出発する予定だったが、予定を変更した。というのも、コマーシャル出演のオーディションを受けるからである。アミーゴには日本人が集うので、たまにCMや映画の撮影で日本人が必要な時に声がかかるらしい。今回はメキシコのビール会社のCMで、何でもお相撲さんを胴上げする日本人の群衆が必要らしい。オーディションが行われるのは月曜日、受かれば再来週に撮影らしい。予定は大幅に遅れているが、遅れついでにやってみたい、という久美子嬢の意向である。まあ、急ぐ旅でも無いので、せっかくだからやってみましょう。出演できれば、延泊分の宿泊費くらいにはなるギャラがもらえるというし。このままだとアミーゴ滞在中にバイクの保険が切れるが、ここで出会ったライダー3人が3人とも保険に入っていなかったので大丈夫だろう。

本日の走行距離       0キロ(計16290キロ)

出費              18N$ コインランドリー代
                 35N$ 昼食(定食)
             138.65N$ 夕食の買物、シャンプーなど
計           191.65N$

宿泊           ペンションアミーゴ



2000年1月9日(日) 「カブト」のデビュー戦(Watching a friend's match)

 今朝は久しぶりに早起きし、朝食を食べることができた。アミーゴの朝食は早いもの勝ちなので、いつもの時間にはまずありつけないのだ。早起きした目的は買物。プロレスラー志望のJ君とラグニージャ市場へ行く。
 バスに乗って市場につくと、太い道路いっぱいに小さな露店が並んでいる。衣類や靴、アクセサリー、電機製品、骨董品などいろんな種類の店があり、また集まる人向けに屋台も多い。久美子はここで絞り染めのシャツを買い、私はジーンズのポケットに穴が開いたので、それをふさぐためのワッペンを買った。ある骨董品屋では本物の警察車両のプレートが売っており、これをバイクに付けていたら盗まれないかな、とか考えたが、100ペソと高いのであきらめた。昼食は市場のタコス屋で、また帰りにはプリンを食べた。
 夜はプロレスを見に行った。というのも、以前アミーゴに住んでいて、今は近くに一人暮らししている日本人レスラーSさんのデビュー戦があるのだ。Sさんを知る7名で連れだって見に行く。会場は遠く、新しく開通した地下鉄8号線で向かったが、なんと降りるはずの駅がまだオープンしておらず、結局バスで何駅分か引き返すこととなった。
 着いた会場は今までで一番小さかった。学校の体育館よりも小さく、リングを囲んで5、6列の席しかない。一番前が空いていたので、リングサイドに陣取る。見始めて3試合目にSさん登場。彼のリングネームは「カブト」。写真の右側の、白いマスクマンである。左側は彼のタッグパートナーだが、後でとんでもないこととなる。
 ゴングが鳴り、試合開始。カブト組の相手はホラー映画に出てくるようなマスクを被った悪玉二人。片方はなかり体重があり、私(168センチ)より身長が低いカブトには手ごわそうな相手だ。メキシコのプロレスは3本制で、2本先取した方の勝ち。1本目は悪玉組に取られたが、2本目はカブトが太めの相手を見事押さえ込み、勝利を収めた。
 そして問題の3本目、カブトが相手を攻撃しようとして失敗、タッグパートナーにドロップキックを食らわしてしまった。パートナーとはそれが原因で仲間割れ、なんとカブト対3人という図式になってしまった。カブトはリング外に出され、私たちの目の前で場外リンチを受ける。すると、見るに見かねて次の試合の善玉レスラーが助けにきた。反撃に出るカブトだが、今度は次の試合の悪玉レスラーも出てきて会場は大混乱。あっちこっちで場外乱闘が始まり、私たちの席にも危険が及んだので一時避難。やがてカブトたちは会場から消え、次の試合がそのまま開始。壮絶なデビュー戦となってしまった。
 そして本日のメインイベントはその2試合後。前回見に行った時にも出ていた太目のレスラー「スーペル・ポルキー」が主役だ。ポルキーは体重を生かしたコミカルな動きで敵を玉砕、勝利を収めた。ファンサービスの良いポルキーは試合後の写真撮影にも応じ、握手もしてくれた。何と帰りにはポルキーが自らの愛車で女性2名(久美子と「よねこ先生」)を送っていくと言い出したが、さすがにそれは遠慮した。
 アミーゴの近くの駅に着くと、もう11時になっていた。夕食を食べようにも日曜日で店は早く閉まっている。仕方ないのでコンビニでいわしの缶詰とトルティージャを買い、ビールを飲みながら食べるのだった。

本日の走行距離       0キロ(計16290キロ)

出費              20N$ バス代
                 10N$ ワッペン
                 14N$ 昼食(タコス)
                  6N$ プリン
                  6N$ カップヌードル
                  6N$ 地下鉄代
                 50N$ プロレス入場料
                 41N$ 夕食の買物、ビール
計              153N$

宿泊           ペンションアミーゴ